「見捨てるのか」と管理組合~国交相に鹿島、久留米市の違法を告発
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久留米市が国交省と協議したことの報告書
福岡県久留米市のマンションの管理組合の寺崎敏和理事長が、石井啓一国土交通相にあてて、同マンションを施工した鹿島建設と、建築確認済証を交付した久留米市が建築基準法に違反しているとする告発状を送ったことがわかった。告発状は、11月27日付。
このマンションは、新生マンション花畑西。数々の欠陥、施工ミスが明らかになるとともに、耐震強度が基準の35%しかないなどとして、住民らが鹿島を相手取って損害賠償を求めて裁判中だ。また、久留米市に対し、鹿島に建て替えなどを命じるよう義務付けを求める行政訴訟も起こしている。
告発状は、「このまま、危険な状態を放置すれば、地震により倒壊の恐れもあり、そうなれば、近隣住民にまで、被害を与える可能性もある」と指摘。また、久留米市に対し建物の安全性を精査するよう繰り返し相談してきたが、市から協議を受けた国も市も何も適切な対応をしなかったとして、「国にも久留米市にも見捨てられた(捨て子)」と強い衝撃を受けたと心情を綴っている。市から報告を受けていながら住民の安全を確保する措置を久留米市に命じず、危険な状態を放置した国交省に対し、告発状に記載した事実について国交相が適切な対応を迅速に行うよう求めている。
告発状は、建築基準法などに違反している事実として、地震への構造耐力の欠如のほか、
・異種基礎併用(建設基準法施行令第38条2項違反)
・地盤種別(建設省告示昭55建告第1793号違反)
・継手・接合(建築基準法施行令第47条・67条違反)
・鉄筋のかぶり圧(建築基準法施行令第79条違反)
・西側外部避難階段と建物本体を接続する重要な梁30本の未施工
などを挙げている。また、鹿島が建設業法18条、28条に違反しているとして、建設業法違反で処分するようにも求めている。
建設業法は、第28条で「建設業者が建設工事を適切に施工しなかつたために公衆に危害を及ぼしたとき、又は危害を及ぼすおそれが大であるとき」「建設業者が請負契約に関し不誠実な行為をしたとき」には、国土交通大臣や知事が建設業者に対し、必要な指示を求めることや営業停止を命じることができると定めている。国交省が久留米市と協議を行っていたことが判明しているが、どこまで安全上の問題や違法建築の状況を把握していたかは不明だった。今回の告発状によって、国交省は違反内容を具体的に知る立場になった。国交省が規制権限をどう行使するかが問われる。
国交省は、これまでの久留米市との協議内容を明らかにし、同マンションの耐震強度不足の恐れ、施工ミス、欠陥をどの程度認識し、どのような対応をしてきたかを示し、今度こそ適切な対応をしなければ、住民らは納得しないだろう。
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