民主主義機能させる二条件

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 NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は「金の力で支配されたメディアが人心をコントロールしている現状を打破するためには、市民勢力の連帯と主権者の意思を汲み上げる受け皿が必要だ」と論じた4月2日付の記事を紹介する。

 主権者は国民。国民が正当に選挙された代表者を国会に送り、政治を行う。主権者である国民の意思を反映する政治を行う。建前はこの通り。しかし、実際はそうなっていない。主権者である国民の意思を反映する政党が存在しなければ、主権者は意思を託せない。

 2009年は良かった。日本政治を刷新しようとする政党が登場した。多くの主権者がこの政党に思いを託した。結果として鳩山由紀夫内閣が誕生した。選挙の投票率は7割に迫った。米国が支配する政治、官僚が支配する政治、大資本が支配する政治を打破しようとした。政治刷新に多くの主権者が賛同した。

 しかし、鳩山内閣は潰された。日本政治の基本構造を変えられては困る勢力が鳩山内閣を潰した。加担したのは民主党内に潜んでいた守旧勢力だった。だから、本当の意味で政治刷新の道が開けたのはわずか8ヵ月だった。

 鳩山内閣を潰した守旧勢力を〈悪徳10人衆〉と名付けた。藤井裕久、渡部恒三、仙谷由人、菅直人、岡田克也、野田佳彦、前原誠司、枝野幸男、安住淳、玄葉光一郎、の各氏。鳩山内閣を潰した〈悪徳民主党〉をけん引してきたのが〈悪徳民主党〉だ。

 2017年に旧民主党=民進党が二つに割れて革新勢力=立憲民主党、守旧勢力=国民民主党、に割れたと見られた。革新勢力と見なされた立憲民主党は躍進した。日本政治刷新を希求する主権者が立憲民主党を躍進させた。

 ところが、2021年に立憲民主党は急激な右旋回を示した。枝野幸男氏が共闘の対象は国民民主・連合と明言。共産・れいわ・社民は共闘対象でないと明言した。革新勢力の立憲民主党躍進が続けば、鳩山内閣誕生が再現されてしまうとの警戒感が保持されたのだと思われる。日本支配者のCIAが動いて枝野氏が急激な右旋回を示したのだと思われる。その延長線上に現在がある。

 消滅しかかった国民民主党はCIAの大宣伝工作によって浮上したのだと思われる。立憲民主代表に野田佳彦氏が就任して立民の右旋回は加速した。立憲民主と国民民主は合併して〈共に悪い民主党〉に党名変更するのが適切だ。

 かくして、現時点の革新勢力は、共産、れいわ、社民になったが、政権を奪取する絵が描かれていない。多くの主権者は政治に対する関心を急激に後退させている。他方、政権与党は利権政治に明け暮れている。政党内部でも利権まみれだが、自公政治は利権のバラマキとキックバックで成り立っている。

 政府支出の中核を占めるのは〈利権支出〉。その恩恵とおこぼれに預かる国民がいる。この勢力は、嵐が来ようが、槍が降ろうが、必ず選挙に行く。この利権勢力が全有権者の4分の1。25%。選挙に行く国民が5割だから、有効投票の半分を利権勢力が占める。小選挙区も1人区も当選者はただ一人だから、有効投票の半分を支配する勢力が国会多数議席を握る。

 もう一つの重要点はメディアが利権勢力に支配されていること。金の力でマスメディアを支配することができる。マスメディアは国民に歪んだ情報を提供する。これで圧倒的多数の国民が洗脳される。これらの状況下では民主主義は健全に機能しない。

※続きは4月2日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「民主主義機能させる二条件」で。


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