全員サッカーで強豪下す 福岡1−0浦和
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サッカーJ1リーグ・アビスパ福岡は6日、ホームのベスト電器スタジアムに浦和レッズを迎えて第9節の試合を行った。
暖かい春の日差しが降り注ぐピッチには、満開を過ぎた桜の花びらが舞い落ちていた。やや風があり、湿度は29%と乾燥した環境。乾いた芝の上ではボールの転がるスピードが遅くなり、細かいパスをつなぐプレーは難しくなる。これが、この試合を左右する1つの要因になった。
アビスパは開幕3連敗の後、4勝1分けと好調を維持。組織的な守備と鋭い攻撃で、V字回復を実現している。対する浦和は、ここまで2勝2敗4分け。昨シーズン途中から復帰したマチェイ・スコルジャ監督のもとに、元日本代表GK西川周作をはじめ各国代表クラスの選手たちが揃うが、今1つ波に乗り切れていない。アビスパが8得点7失点に対し、浦和は7得点8失点。攻守ともに、どうにも機能不全の状況が続いている。
しかし、試合前半を支配したのは浦和だった。ボールをキープする浦和と、それに対応して守備的にプレーするアビスパという展開。浦和がペナルティエリア内に侵入するシーンは多かったものの、アビスパもカウンターで反撃を試みる。試合後の記者会見で、金明輝監督が「前半20~30分までは、僕が準備した対策がうまくいかなかった」と語ったように、ここまでは浦和のペース。16分には浦和FWチアゴ・サンタナがシュートを放つが、これはGK村上昌謙がセーブ。ここまで浦和はシュート4本、枠内3本と攻勢だ。
だが30分過ぎに、DF前嶋洋太とMF岩崎悠人が左右のポジションを入れ替えると、形勢が逆転する。38分にはDF前嶋がクロスを入れ、FWシャハブ・ザヘディがシュートを放っていく。アビスパ優勢のまま、前半は両者無得点で終了。
後半、激しく競り合うMF紺野とDF前嶋 後半、まずチャンスを迎えたのは浦和。ゴール前中央付近でフリーキックを得た浦和は、MF渡邊凌磨が直接狙う。これはポスト直撃。さらに59分、コーナーキックからの流れでMF金子拓郎が強烈なミドルシュートを放つが、ここはGK村上が右手一本でセーブした。
そして、ついにベススタが歓喜に揺れる瞬間が訪れる。68分、MF名古新太郎のコーナーキックを相手DFがクリアしたが、これがやや短くなる。そこに走りこんできたMF岩崎が浦和MF安居海渡を蹴散らし、スピードに乗ったまま左足を振り抜く。これが豪快にゴールに突き刺さり、先制点となった。
MF岩崎のシュートが浦和ゴールに突き刺さる さらにアビスパは85分。左サイドで得たフリーキックをMF名古が蹴ると、ここにDF安藤智哉、さらにMF藤本一輝が飛び込んで押し込む。だがこれはオフサイドの判定となり、追加点ならず。この後、アビスパはDF上島拓巳らを送って守備を固める。浦和は元日本代表MF原口元気らをピッチに送り込むが、攻撃は活性化せず無得点のまま。試合はこのままアビスパの勝利となった。
MF藤本が押し込むが、これはオフサイド 試合後の記者会見で、浦和のスコルジャ監督が「内容は良かった」と語ったように、決してアビスパがすべてを支配した試合ではなかった。だが、そんな試合でも必死にもぎ取った虎の子の1点で勝ち切ることができる今のアビスパは、はっきりと「強い」といえるだろう。
この日の試合を終え、アビスパは順位を5位に上げた。今シーズンの目標であるリーグ戦6位以上を実現するためには、このペースで勝ち続けなければいけない。難しい目標ではあるが、今の好調が続くなら不可能ではないだろう。チーム内の雰囲気も良好で、さらに今後はDF奈良竜樹をはじめ負傷者も続々復帰してくる。まだまだ伸びしろがある今のアビスパは、クラブの歴史を塗り替える高みに至る可能性を秘めている。
試合後、笑顔でゴール裏に呼びかけるMF岩崎。
負傷欠場中のDF小田のユニフォームを着用【深水央】
法人名
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