福岡・田川市長「不倫」「セクハラ」問題での不信任案否決

 福岡県田川市の村上卓哉市長は部下の女性職員との「不倫」関係とされた問題について、当該女性職員よりセクハラ被害を訴えられているが、市議会は4月30日に臨時議会を開き、不信任決議案を採決した3月議会に続いて賛成少数で再び否決した。

 提案議員は理由について、公務出張先で女性職員と不適切な関係をもったことを「公費出張での不倫に加え、セクハラ疑惑もあり、市政に対する信頼を失墜させた」と述べた。

 その後、賛成反対の討論が行われ、議長を含めた18人の無記名による採決となった。

 結果は賛成9、反対9(白票4を含む)で否決された。不信任案は、出席議員の4分の3の賛成が必要で、田川市議会の場合、14人の賛成が必要となる。

 この問題をめぐって「不倫」関係にあったとされた市の人事秘書課の女性職員の代理人の弁護士が3月末に記者会見を行い「不倫関係ではなく、市長からセクハラ被害を受けていた」として、調査などを求めて市の公平委員会に申し立てを行っている。

 村上市長は続投の意欲を示しているが、市民の間でも賛否両論があり、田川市のイメージを大きく損なったことは間違いない。

 つい先日、同市選出の佐々木允前福岡県議会議員が議員辞職したが、女性との不貞関係がその理由の1つであった。首長にしても議員にしても、市民の負託を受けており、その責任は大きい。また議会が、この問題をめぐって二分され対立が続くことは市政の停滞にもなりかねないことを懸念する声もある。

【近藤将勝】

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