J1昇格目前!「強さ」を見せたアビスパ福岡~12・6最終決戦
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サッカーJ2のアビスパ福岡は、11月30日にレベルファイブスタジアムで行われた、2015J1昇格プレーオフ準決勝で、V・ファーレン長崎に1-0で勝利。12月6日、セレッソ大阪を相手にJ1昇格を賭けた最後の戦いに挑む。
4年ぶりのJ1に王手をかけたアビスパ。観衆1万7,129人(Jリーグデータサイトより)が固唾を飲んで見守るなか、両チームともに「バトルオブ九州」にふさわしい、持ち味を出し尽くした試合が繰り広げられた。リーグ戦を8連勝で締めたアビスパは、安定感あるゲームマネジメントで勝利につなげた。
J2トップクラスの守備を誇るV・ファーレン長崎から得点することは容易ではない。試合の主導権は終始アビスパだが、V・ファーレンは好守を連発し、アビスパに得点を許さなかった。そして後半48分、MF末吉隼也選手のコーナーキックからFWウェリントン選手が、値千金のゴールを決めた。V・ファーレンも再三アビスパのゴールマウスに迫った。GK中村航輔選手を中心としたアビスパ守備陣のV・ファーレンに勝るとも劣らない好守で、最後まで得点を許さず試合終了。壮絶な試合であった。
サポーター同士のエール交換も行われ、フィールド内の戦いと同様、観衆の姿勢も秀逸。J1昇格を競うにふさわしいハイレベルな試合だった。そして、両監督の采配も実に見事であった。現役時代、「アジアの壁」と言われたアビスパ井原正巳監督と、「アジアの大砲」と称されたV・ファーレンの高木琢也監督。同級生であり、ともに日本代表の一時代を築いた名選手。指導者としても優秀なキャリアを積んだ逸材同士である。
リーグ戦からの9連勝は、まさに「強い」のひと言に集約される。攻守とも安定感が保たれ、常に試合の主導権を掌握しながら選手全員のハードワークが試合終了まで実践されている。今シーズン井原監督が就任して以来、常にフィジカル・フィットネスともハードなトレーニングを継続し、さらに緻密な戦術的トレーニングも試合ごとに周到に行われ、着実にチーム力を上げてきた。井原監督は、次の準備することに重きを置いたマネジメントで、選手とスタッフにそのイズムを浸透させていった。その証拠が、1-0の勝利がプレーオフを含めて14試合もあったという事実である。粘り強い守備を起点として、少ないチャンスを確実にモノにする攻撃力が備わったチームへと進化したのだ。
最終決戦は、セレッソのホームであるヤンマースタジアム長居で行われる。約5万人が入るスタジアムのほとんどが、セレッソのサポーターで埋め尽くされる完全アウェー状態が予想される。しかし、現在のアビスパには、それらを跳ね返す強さがある。ハードワークによる“全員守備・全員攻撃”で、有終の美を飾ることになるだろう。12月6日が待ち遠しい。【河原 清明】
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