数合わせの政権交代は有害無益

 NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は「『第二自公勢力』で政権交代を実現しても政治の基本構造が変わらない」と指摘したうえで「迂遠でも真の改革勢力=革新勢力を強化することに力を注ぐことが必要である」と訴えた5月26日付の記事を紹介する。

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 国民民主党を大宣伝してきたのはマスメディア。裏があると考えられる。自公の凋落は避けられない。経年劣化。金属疲労が著しい。決定づけたのは裏金事件。しかし、けじめをつけられない。統一協会との癒着も明らかにされた。

 昨年10月の衆院総選挙で自公は大敗。過半数を大きく割り込んだ。政権交代を実現できるチャンスだったが政権交代の風はまったく吹かなかった。主因は国民民主が自公にすり寄ったこと。この国民民主をメディアが大宣伝している。2012年に弱小政党として樹立された「日本維新の会」をマスメディアが連日連夜、大宣伝し続けたのと酷似する。

 当時の〈第三極〉は「国民の生活が第一」だった。国会議員50名以上を擁する堂々たる〈第三極〉政党だった。しかし、メディアは議員数数名の「日本維新の会」を〈第三極〉として連日連夜大宣伝し続けた。その結果として2012年総選挙で「日本維新の会」が議席を増やした。「国民の生活が第一」=「未来の党」は議席を激減させた。これほどマスメディア情報工作は影響力を持つ。

 そのマスメディアが国民民主大宣伝を続けている。しかし、化けの皮は剝がれつつある。不倫まみれの政党。「国民不倫党」に名称変更してはとの声も聞かれる。

 幹事長の榛葉賀津也氏は5月26日の福岡県博多駅前での街頭演説で「博多の女性はきれいだね。男性はまぁまぁだね」と発言。ルッキズム丸出しの発言を示した。これを一部メディアは「SNSは賛否とも反応さまざま」と伝える。「賛」などあるわけがないが、メディアは国民民主を宣伝し続けるしかないのである。

 国民民主は自公別動隊。2009年の総選挙では自公に対する批判から鳩山由紀夫内閣が誕生した。鳩山内閣は日本政治構造を根底から刷新しようとした。これが日本支配者にとっての〈悪夢〉だった。〈悪夢のような民主党政権〉という意味はここにある。2度とこの「過ち」を繰り返さない。これが彼らの認識だ。

 革新政権が樹立されぬよう「第二自公」を大宣伝している。国民民主の裏側に位置する「連合」。「連合」はかつて「総評」と「同盟」を基軸に創設された組織が、「同盟」が実権を握った。「同盟」はCIAが資金援助して創設した民主党の支持母体として設立された。民主党は革新陣営の結束を破壊するために創設された「トロイの木馬」のような政党である。「同盟」=「民社党」は統一協会の国際勝共連合と極めて親密な関係を有した。

 革新政権が樹立されないようにメディアが国民民主の大宣伝活動を展開している。しかし「化けの皮」が剝がれ始めている。「103万円の壁」で大騒ぎした所得税減税も惨憺たる結果に終わっている。参院選までにメッキを剥がして国民民主人気を本来の凋落水準に回帰させることが重要である。

※続きは5月26日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「数合わせの政権交代は有害無益」で。


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専用フォームあるいはTEL、FAXにて
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※当セミナーの詳細な内容は告知記事にてご確認ください。

<プロフィール>
植草一秀
(うえくさ・かずひで)
1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーヴァー研究所客員フェロー、野村総合研究所主席エコノミスト、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ(株)=TRI代表取締役。金融市場の最前線でエコノミストとして活躍後、金融論・経済政策論および政治経済学の研究に移行。現在は会員制のTRIレポート『金利・為替・株価特報』を発行し、内外政治経済金融市場分析を提示。予測精度の高さで高い評価を得ている。政治ブログおよびメルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」で多数の読者を獲得している。

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