参院選を目前にして、自民党は選択的夫婦別姓をめぐり一致できず分裂寸前の状態にある。議論を重ねてきた自民党の「氏制度のあり方に関する検討ワーキングチーム(WT)」は3日、党の「基本的考え方」をまとめ、総務会に報告した。
ワーキングチームが示した「考え方」は、自民党としての方針・見解はまとまっておらず、議論を整理したにとどまっており「旧氏の単記も可能とする法制化を含めた基盤整備」を検討するとしたが、選択的夫婦別姓の文言は盛り込まれていない。
執行部としては結論を先送りし、立憲・国民・維新の3党が提出している野党案に反対する方向でいたが、推進派が猛反発した。
なお、立憲・国民の案は夫婦別姓の法制化、維新の案は旧姓の通称使用も法制化するものである。総務会のメンバーは25名で構成される。選択的夫婦別姓に対する考え方には賛否両論あるが、総務会は全会一致が原則である。
河野太郎元外相は「党議拘束を外すべき」と主張した。しかし、仮に党議拘束を外した場合、自民党内の別姓賛成派が立憲あるいは国民の案を賛成した場合、選択的夫婦別姓が可決される。そうなると参院選を前に、自民党保守派と保守系団体・日本会議などの反発は必至となり、保守層の支持を失う可能性がある。
これを森山裕幹事長・鈴木俊一総務会長・松山政司参議院幹事長ら執行部は恐れており、衆議院法務委員会の委員のうち、別姓賛成派の差し替えも考えているようだ。
【近藤将勝】
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