海外協力隊60周年記念展を福岡で開催

JICA((独)国際協力機構)

多様な分野で貢献

 JICA((独)国際協力機構)は、7月1日(火)~15日(火)に福岡市で、「JICA海外協力隊60周年記念展」を開催する。海外協力隊は1965年にラオス、カンボジア、マレーシア、フィリピン、ケニアの5カ国に29名の隊員を派遣したことから始まった。

 最初の派遣分野は農林水産(稲作、野菜、果樹、農業協同組合)、人的資源(日本語教師、柔道、水泳、体育)、公共・公益事業(土木施工)、鉱工業(竹工芸、建設機械、電気設備)など計12職種。その後、分野は大きく拡大し、現在は保健・医療、社会福祉、商業・観光など含む9分野・190以上の職種で展開している。2025年2月末時点で累計派遣国は99カ国、派遣人数は5万7,442名におよぶ。

 JICAは海外協力隊について、現地での活動を通じて国際協力の現場を支えるだけでなく、帰国後も地域社会や多様な分野で活躍し、世界と日本を結ぶ架け橋として貢献し続けているとその意義を強調する。

企業・団体との連携も

 グローバル人材の育成という視点から、企業・団体とJICAとの連携による協力隊派遣も注目される。これは企業・団体が選ぶ人材が海外協力隊として派遣され、活動を経てさまざまな能力に磨きをかけた後に企業・団体に戻るというもの。隊員は途上国・新興国からの要請(ニーズ)に応じて、専門性を活かしつつ、現地の人々とともに活動を行う。

 派遣先では現地住民と同じような住環境で生活し、現地のインフラ設備の状況などについて肌身で理解する。企業・団体において海外事業などで活躍している人材のなかには、協力隊経験者が意外と少なくない。

 記念展では、60年にわたる活動の軌跡や隊員たちの体験が紹介される。国際協力や多文化共生への理解を深める機会として、興味のある方は訪問してみてほしい。

【茅野雅弘】


<INFORMATION>
JICA海外協力隊60周年記念展

〔日時〕
7月1日(火)午後1時~15日(火) 午後1時
〔会場〕
福岡市NPO・ボランティアセンターあすみん
(福岡市中央区今泉1-19-22 天神クラス4F)
〔主催〕
JICAデスク福岡

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