既存政党が淘汰される時代(7)石破茂首相、自滅の辞任表明

一番、情けない辞任表明に追い込まれる

 どうも石破氏を買い被り過ぎたようである。前回この⑥シリーズで予測した。こちらは「最後は男の意地を貫いて解散画策する。しかし、潰されてジ・エンドになる」と予想した。残念ながら孤独を恐れずの解散策動にも着手できずにギブアップしたのである。誠に情けない次第だ。記者会見において「自民党分裂を阻止するために辞任を決意した」という訳の分からない釈明をしていたのである。この政治家は破廉恥という気持ちを一かけらも持ち合わせていない超鈍感者であったのだ(別の表現で語れば顔に似合わない自己愛主義者、ナルシストであったのであろう)。

 ならば潔く今回の参議院選挙の自民党惨敗の結果責任をとって辞任すべきであった。故安倍晋三元首相が「石破のような男には権力を託すわけにはいかない」とかねがね述べていた(安倍第一次内閣時代に選挙に負けた際に石破氏から「責任を取って辞めるべきである」と批判されたことに根をもっているという説もある)。ところがここに至ってまで首相の権力に固執してきた往生際の悪さには呆れるばかりだ。我が発言を忘却する思考が露にされた。“故安倍元首相の石破氏への評価が非常に的確であった”ことを石破氏自らの言動が証明した。2024年10月に石破首相が誕生して1年も立たずして辞任表明となったのである。

小泉純一郎氏に頼ったのが決定的に間違い、そして破滅へ

 誰の浅智恵であったのであろうか?「2005年の郵政民営化をめぐる解散総選挙手法を小泉純一郎先生から学ぼう」と言い出した奴がいた。この会談の件に関しては一部では報道されている。この会食の狙いは2点あった。「自民党内で孤独な立場にあった小泉元首相がいかに選挙に勝利できた要因を学び解散総選挙で実践してみせる」という魂胆があった。

 だが、ここで一番、前提になる大きな過ちがある。まず小泉純一郎氏は度胸が据わった役者であった。もちろん、華もある。天才的な扇動家だ。片や石破氏は如何なる特技・特性を持ち合わせているか。自己愛主義者・超鈍感しか特技として持ち合わせていない人物がドダイ1割も真似できるわけがない。

小泉進次郎幹事長説が流れる

 第二は小泉進次郎氏に「幹事長打診」(その次は君が総裁=総理大臣になるという打診)をしたことである。森山幹事長の策謀であろう。元朝日新聞社OBのYouTuber評論家が1週間、「次の幹事長は小泉進次郎氏である」とキャンペーンを張りまくった。しかし、現実には本人はこの幹事長就任要請を断った。的確に政治判断をしたものである(菅副総裁にも政局の相談したのであろう)。

 この10日間、小泉農林水産大臣の発言はやんわりと石破総裁路線には追随しない立場を公にし始めた。「小泉氏を巻き込めないとなれば石破政治力は終わった」と判断して反対陣営は一気呵成になって攻めまくった。これでご臨終と相なったのである。

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