元祖トマトラーメン三味(333)宮下社長の声 キャナルに刻んだ7年半と感謝の思い

行列をつくる元祖トマトラーメン三味・ラーメンスタジアム店(8月29日正午撮影)
行列をつくる元祖トマトラーメン三味・ラーメンスタジアム店(8月29日正午撮影)

ラースタ来春までの見納め

ありがとうキャンペーンの看板「博多スタミナREDトマトラーメン」
ありがとうキャンペーンの看板
「博多スタミナREDトマトラーメン」

 9月1日、大型商業施設・キャナルシティ博多の人気エリア「ラーメンスタジアム」が、来春のリニューアルオープンに向け改修工事のため一時休業に入った。国内外の観光客や地元客などラーメン愛好家に親しまれてきたこのエリアでは、休業直前の8月、23年間の感謝を込めた「ありがとうキャンペーン」が開催され、8店舗各店が渾身の一杯を提供するなど大きな賑わいを見せた。

    8月29日正午に訪れると、豚骨ラーメン店が軒を連ねるなか、ひときわ目を引いたのが「元祖トマトラーメン三味(333)」であった。背の低い格子状の囲いで開かれた店内のテーブルには男子グループや女子会、子ども連れファミリーの姿が見られ、1人でも気軽に座れる屋台風カウンターの10席はひっきりなしに客が訪れていた。

インバウンド集客はキャナルありき

 元祖トマトラーメン三味(333)を運営する(株)三味は、現在、福岡県内に8店舗、佐賀市内に1店舗を展開。ラーメンスタジアム店は2018年に4号店として開業し、7年半の歴史を刻んだ。系列店のなかでも特別な思い入れがあったと宮下将司代表は振り返る——「ここラーメンスタジアム店では、とくにインバウンド客、とりわけ韓国の方々に三味(333)を知っていただく大きな機会になりました」。その結果、韓国4大財閥のSKグループ(大手通信キャリア・SKテレコム)とのコラボに発展し、SNSやブログを通じて韓国国内に認知が広がった。

キャナルシティ博多から授与された表彰状
キャナルシティ博多から授与された表彰状

 ラーメンスタジアムでの三味(333)の実績は顕著で、コロナ禍のなか6カ月連続で売上1位を記録。さらにキャナルシティ全館の飲食部門における23年度売上でも銀賞を獲得し、施設全体のなかでも高い評価を受けている。


SDGsスコアにも表れたキャナルの恩恵

 元祖トマトラーメン三味(333)が、ラーメンスタジアム出店を機に残した功績はもう1つ、SDGsへの取り組みがある。キャナルシティ博多では、大気の浄化を促すための緑化をはじめ、シンボルである運河に⾬⽔を再利用して約1,200tを常時貯水。景観の美しさだけでなく衛生的環境の維持や⾮常時の消防⽤⽔としての機能をはたしている。また、館内の各店舗における生ごみの飼料化や古着回収も促進し、SDGsに大きく貢献している。

 こうした環境面への配慮に触発され、宮下代表も積極的に食品ロス削減に取り組んだ。遠賀郡水巻町の店舗では、人口2.8万人の町に毎月7,000人前後を呼び込み、地域振興にも寄与した。

 その成果は、福岡銀行が実施する〈FFG〉Sustainable Scale Index(※)の評価で数値として表れた。ESGスコア97.74(全業種1,075社中1位、業界1位)、SDGsスコア99.74(同2位、業界1位)と、業界平均の倍以上のハイスコアを獲得している。宮下代表は「SDGsや社会貢献への関心は、単独店舗だけでは見えなかった部分も多くあり、200以上の評価項目で高いスコアを得られたのは、キャナルシティの取り組みに触れたからこそだと深く感謝しています」と語る。

(※)FFG子会社サステナブルスケールと九州大学が構築したスコアリングモデルで、企業のESG/SDGsの取り組みを指標化し、評価するもの

(株)三味の宮下将司代表と次男のあきと君。経営者とはまた違う、子煩悩な父親の表情を見せてくれた
(株)三味の宮下将司代表と次男のあきと君。
経営者とはまた違う、子煩悩な父親の表情を見せてくれた

ラースタ店再開の日を待ち望む

 元祖トマトラーメン三味(333)は1995年に創業し、2015年に法人化。天神大名本店を皮切りに新店舗を増やし、近年はモラージュ佐賀や照葉スパリゾートにも出店するなど勢いを見せる。一方で、コロナ禍や豪雨災害でセントラルキッチンを備えた中心店舗が半年以上被災するなど数々の危機も経験した。それでも事業を継続できた背景には、宮下代表のあきらめない姿勢と先見性がある。

 集客戦略において宮下代表は、「みんなGoogleでよく調べ記事を読んで来店されている」と分析し、Googleビジネスプロフィールを徹底活用。全店舗合計で月間300万回以上の表示を維持し、グルメサイト離れを逆手に取ったMEO対策(マップエンジン最適化)が奏功している。その成果はランキングでも証明され、ITメディア「ねとらぼ」の福岡県・福岡市・博多・九州地方での人気ラーメン店月間ランキングにおいて、元祖トマトラーメン三味(333)キャナルシティ博多ラーメンスタジアム店が20回以上1位を獲得している(23〜25年)。

 商業施設や行政からの注目も高い三味(333)。ラーメンスタジアム再開とともに再び登場するその日を、多くのファンが心待ちにしている。

【松本悠子】


<COMPANY INFORMATION>
(株)三味

代 表:宮下将司
所在地:福岡市博多区東公園1-25
    元祖トマトラーメンビル
設 立:2015年10月
TEL:0120-014-333
URL:https://333sanmishopping.com

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