九州最大の都市部・福岡2区は三つどもえの激戦へ(前)

 福岡県11選挙区のうち、九州最大の繁華街・オフィス街の天神エリアを含む2区は激戦になるとみられる。前回選で小選挙区で敗北した自民・鬼木誠氏と、今回「中道改革連合」で臨む稲富修二氏の対決に、新興保守政党・参政党の木下敏之氏が挑む構図となる。

 公示日を目前にした25日午後2時、福岡市内のホテルにおいて、中道改革連合の稲富氏の集会が行われた。緊急集会ということもあり、参加者は100人ほどであった。高齢者の姿が目立った。

中道の小選挙区・比例の候補者
中道の小選挙区・比例の候補者

    集会の冒頭、選対本部長を務める田中慎介福岡市議が挨拶を行い、続いて選対本部の地方議員の紹介が行われた。

 選対の顧問を務める守谷正人福岡県議(国民民主党)、原中誠志県議、近藤里美市議、井上麻衣市議、小竹理香市議が紹介された。守谷・原中・近藤の3議員は、それぞれ電力総連、自治労、UAゼンセンの組織内議員である。連合加盟の産業別労働組合が総力を挙げて、稲富氏の選挙を支える。

 稲富氏は新党合流への戸惑いを見せつつも、「野党は離合集散を繰り返してきた失敗の歴史でもあった」と振り返り、「自民党に代わる受け皿をつくらないといけない。これまで有権者にとって批判票としての野党はあっても、政権を託せるのかという選択肢がなかった」と中道の意義を強調した。そして、消費税が中間層に与える負担の重さを指摘し、中道が掲げた飲食料品の消費減税の重要性を訴えた。

 27日、ソラリアステージ前で行われた出陣式では、中道の比例九州ブロック候補として立候補した旧公明の濱地雅一氏が稲富氏と並んで、自らの所信を訴えた。

共に並ぶ稲富氏(左)・濱地氏(右)
共に並ぶ稲富氏(左)・濱地氏(右)

    濱地氏は「本来、政府の役割はこういった寒い冬、被害が予想される豪雪に対する対策を行うことが本来の政府の仕事であると前回まで与党にいて痛感している」と述べたうえで、「1月・2月は受験シーズンで、ご家族とともに受験シーズンに入ろうというときに今回の衆議院解散となった」と政権の在り方を批判した。一方で「現在の政権の批判だけをする政党ではない」と、中道の方向性を語った。

 野党にいた稲富氏と、与党から野党へと立場を変えた濱地氏には違いもみられるが、国民生活を重視する姿勢で共通しており、自民の成長投資路線と比較した場合、「生活者ファースト」という理念は、物価高に喘ぐ有権者に響くだろう。

 午前11時半から福岡市役所近くで開催された中道改革連合の出陣式には、同党の関係者や支持団体・連合福岡の役員、公明党県本部代表の秋野公造参議院議員など多くの支持者が集まった。比例候補の出陣式ということもあり、公明党支持者や創価学会関係者も多く参加し、会場には並々ならぬ熱気が漂っていた。

 今回、九州比例ブロック単独は、いずれも旧公明系で、出陣式にはこのうち、濱地氏と河野義博氏が出席した。また、福岡市内の小選挙区・1区から3区までの候補者である、1区・丸尾圭祐氏、2区・稲富修二氏、3区・仁戸田元氣氏も登壇し、自らの思いを訴えた。

 3区の仁戸田氏は、立憲の県連幹事長や県議会副議長を務めた経験を振り返り、「公明党県議団の県議の先生方に大変お世話になった」と述べ、公明党の結党理念である「大衆とともに」に言及し、一体となって選挙戦に臨む決意を述べた。

 昨夏の参院選では、ポピュリズム的な新興政党が台頭し、自民などの既存政党も外国人政策などで排外主義的な一部世論に引きずられているとの指摘がある。そうした論調が強まったのも国民生活の疲弊が背景にある。国民生活重視の中道が有権者の選択肢となるのか。その真価が問われる。

(つづく)

【近藤将勝】

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