【BIS論壇】3冊の本

 NetIB-Newsでは、日本ビジネスインテリジェンス協会理事長・中川十郎氏の「BIS論壇」を掲載している。
 今回は3月17日の記事を紹介する。

イメージ    このところ知人の話題の本が3冊、2月~3月と継続して発刊された。1冊目は進藤榮一、筑波大学名誉教授、国際アジア共同体学会会長の『「日はまた昇る」~日本再生の国際政治学~』(花伝社:26年2月10日)、2冊目は1992年2月の日本ビジネスインテリジェンス協会(BIS)創設以来、34年間にわたり同協会の顧問を依頼している元外務省国際情報局長、ウズベキスタン、イラン大使の孫崎享氏の『米国一極支配の終焉と日本の選択~対米隷属NO、戦争回避の外交政策へ』(かもがわ出版:26年2月20日)。3冊目は、国際アジア共同体学会会員ほか30名が共同執筆した『大転換する世界:「連欧連亜」という日本の生きる道~大米帝国の終焉からパクス・アシアーナの時代へ──変わりゆく世界のなかで、日本が沈没から再興に反転する道筋とは?』(進藤榮一、東郷和彦、朱建栄編著、花伝社:2026年3月10日)だ。

 本書には筆者も『CHINDIA 世紀の到来』と題し、共同執筆させていただいた。かつて東京経済大学経営学部で国際マーケティング論、大学院でグローバルマーケティング研究を担当。2013年以来12年間、名古屋市立大学22世紀研究所で特任教授として未来予測研究を行っており、30年近くも前から、21世紀は中国、インドの世紀(CHINDIAの世紀)、21世紀後半から22世紀にかけては最後の残された市場、アフリカの時代が訪れるとの筆者の予測を紹介した。要旨は下記だ。

 21世紀前半は中国、後半はインドを含むアジアの時代、21世紀後半から22世紀にかけてはアフリカの世紀が到来する。日本のグローバルマーケティング戦略は今後躍進する中国、インド、アジアを中心に未来の大市場アフリカ攻略が決め手となる。インド、トルコさらには中国をも活用したアフリカ戦略を提言するとした。

 進藤榮一筑波大学名誉教授の『日はまた昇る』はいまこそ「終焉するアメリカ」の現実を見据え、中国・アジアに向き合う時だ。世襲政治と対米従属で招かれた「斜陽国家」日本。アメリカ研究をけん引し続けた国際政治経済学者が読み解く最新の国際情勢と、これからの日中、米日関係、ユーラシアの未来とは、と表紙帯が進藤説を紹介している。

 一方、『米国一極支配の終焉と日本の選択~対米隷属NO、戦争回避の外交政策へ』は、高市台湾有事発言で急速に悪化する日中関係論に始まり、さすが外務省元国際情報局長だけあり、孫崎享氏はインテリジェンス情報をふんだんに活用し、ナショナリズム感情があおられる状況下に求められる冷徹な歴史事実検証と正確無比な国際情勢分析だと植草一秀国際経済学者は本書を激賞している。

 「トランプ大統領の動きによって米国の世界支配は終わった。米国に従うことが自国の利益であると信じる国は日本を除いてほとんどない」と孫崎享氏は力説しておられる。


<プロフィール>
中川十郎(なかがわ・ じゅうろう)

 鹿児島ラサール高等学校卒。東京外国語大学イタリア学科・国際関係専修課程卒業後、ニチメン(現:双日)入社。海外駐在20年。業務本部米州部長補佐、米国ニチメン・ニューヨーク開発担当副社長、愛知学院大学商学部教授、東京経済大学経営学部教授、同大学院教授、国際貿易、ビジネスコミュニケーション論、グローバルマーケティング研究。2006年4月より日本大学国際関係学部講師(国際マーケティング論、国際経営論入門、経営学原論)、2007年4月より日本大学大学院グローバルビジネス研究科講師(競争と情報、テクノロジーインテリジェンス)。

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