全管協名誉会長・高橋誠一氏と自民党政権幹部(当時)の深い関係(3)

 全国賃貸管理ビジネス協会(以下、全管協)名誉会長・高橋誠一氏が、自民党ちんたい支部連合会会長、全国賃貸住宅経営者政治連盟会長として、与党自民党と近い関係にあることを一連の記事で明らかにしてきた。

 『全管協名誉会長・高橋誠一氏と自民党政権幹部(当時)の深い関係(1)』では、高橋誠一氏が代表取締役会長兼社長を務めるALINインターナショナル(株)(以下、ALIN社)のごみ処理プラントなどを、自社の利益のために複数の政権幹部(当時)に対して商品説明や営業を行っていたこと、また、ALIN社の資料のなかに、「●月●日●●において政権幹部に説明」「●月●日官僚幹部kick off meeting」と記載し、政権幹部や高級官僚の写真を掲載していることを明らかにした。

 続く『全管協名誉会長・高橋誠一氏と自民党政権幹部(当時)の深い関係(2)』の記事においては、自民党総裁選に立候補するAが、自民党総裁選の数カ月前に高橋誠一氏と面談し、全管協が持つ党員票の一部を自分(A)に回してほしいと依頼したこと、一方で、高橋氏はその席で、日本政府がODAで支援する開発途上国に対して、自身が経営するALIN社のごみ処理プラントを開発途上国が購入するよう働きかけて欲しいとAに依頼し、Aが快諾したことを紹介した。

 この面談後、Aは総裁選に立候補した。総裁選告示の翌日、高橋氏は差出人「全国賃貸管理ビジネス協会 名誉会長」の肩書で、「全国賃貸管理ビジネス協会 支部長・理事」ほかに対して、「自民党総裁選挙への支援体制について」と題し、北海道・宮城県・山形県・栃木県・群馬県・茨城県・山梨県・富山県・福井県・熊本県・沖縄県の職域支部長などに対して、「A候補への団体としてのご支援を賜りたく、支部長・理事・各職域支部長におかれましては、下記の件、ご協力とご対応をお願い申し上げます。」とAに対する投票を依頼した。

自社の融資条件変更を金融機関に働きかけるよう政府関係者に依頼

 さらに取材を進めるなかで、また、驚きの事実が判明した。全管協加盟のBによると、高橋氏はコロナ発生直後、ある政権幹部と面談して、自身の経営する企業がコロナ前に借り入れていた融資について、条件を変更するように政府から金融機関への働きかけを依頼していたというのだ。ちなみに、コロナ発生時の政権は、安倍晋三氏が首相であるが、高橋氏の面談相手は安倍氏ではない。

 コロナ発生時は、多くの企業が業績への影響を懸念していた。2020年3月には、金融庁が各金融機関に対して貸し付け条件の変更を柔軟に行うよう要請したものの、実際にどの程度変更されるのか決まっておらず多くの企業は不安な状態に置かれていた。同年4月には、政府が緊急事態宣言を発令。不要不急の外出自粛などが要請され、社会全体も急迫した状態となった。

 本来であれば、高橋氏は全管協会長(当時)、自民党ちんたい支部連合会会長、全国賃貸住宅経営者政治連盟会長として、賃貸管理業界や賃貸住宅経営者などの為に、感染症の世界的大流行という緊急事態を受けて、金融機関が契約条件の変更を柔軟に行うよう政府や所管庁に働きかける立場にある。

 ところが高橋氏は、全管協ではなく自社の利益を優先して政府へ依頼していたという。時の政権に取り入って自社の利益を優先的に得ようとする、いわゆる政商はいつの時代も存在するが、曲がりなりにも業界団体や自民党職域支部の代表などを務める「公人」が立場を利用して自社利益のための活動を露骨に行うのはいかがなものだろうか。

 Bによると高橋氏は、「金融機関から契約変更を行う場合、貴社の評価を下げることになると言われたが、自分は契約変更を選択した」と周囲に話していたという。

 これらは高橋氏自身が自ら周囲に話していたというが、事実であれば、自民党ちんたい支部連合会会長の立場や自民党員の数の力を背景に、自身の利益のために政権幹部に働きかけをしていたことになる。

 以前も書いたが、高橋誠一氏は、自民党の職域支部で最大級の党員数(約4万人・24年時点)を実現しているからこそ、その会長としての立場で多忙な政権幹部と面談できるのであって、一般の人であれば面談の機会を得ることは到底難しいはずだ。

 自民党の党員数は、長きにわたり全管協の会員が地道に努力をして増やしてきた。高橋氏ら全管協本部からの党員獲得の指示を受けて、全管協会員は周囲に頭を下げたりしながら新規党員獲得を行ってきた。高橋氏がそうした想いを鑑みることなく、全管協を利用して自社の利益のために政府に働きかけていたのであれば言語道断である。

(つづく)

【近藤将勝】

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