【BIS論壇】津田梅子・ハドソン河の約束

 NetIB-Newsでは、日本ビジネスインテリジェンス協会理事長・中川十郎氏の「BIS論壇」を掲載している。
 今回は6月29日の記事を紹介する。

 筆者が商社のニューヨーク駐在から帰国した1990年代から30年以上お世話になっている「アトリエ華のハーモニー」主宰の水谷鏡子さんに招待され、6月27日、国分寺市立いずみホールで開催の「津田梅子の心音-遠藤征志ピアノ・リサイタル with 朗読」に参加した。

 水谷さんはなかなかの努力家で、筆者が教鞭をとっていた東京経済大学経営学部”グローバルビジネス研究大学院“に社会人入学し、国際ビジネス、マーケティングを専攻。ゼミ生とのベトナム、インド、東欧、ヨーロッパ、米国での海外研修にも積極的に参加し、国内外での研究を深められた。

 津田梅子氏が創設された津田塾大学の学生さんが、東京経済大学との単位互換協定で、筆者のグローバルマーケティング講義にも参加していた経緯もあり、このリサイタルには万難を排して参加した。

 津田梅子は1871(明治4)年、弱冠6歳で「官費米国女子留学生第一号」として、後に薩摩出身の大山巌陸軍大将の妻となる捨松とともに渡米。8歳でフィラデルフィアの独立教会でクリスチャンとして洗礼を受け、13歳でアーチャー・インスティチュート女学校に入学。11年ぶりに17歳で捨松と帰国。20歳で「華族女学校」の英語教師として活躍。

 24歳で再度訪米、フィラデルフィアのブリンマー大学に入学。27歳で帰国。米国の篤志家の財政支援も得て、35歳で千代田区麹町に「女子英学塾」を創設。これが後年の「津田塾大学」の前身である。日本の新しい女性教育に献身した津田梅子は1929(昭和4)年、64歳で鎌倉の別荘で没した。

 日本第一号の女子留学生としての津田梅子の一生がピアノ演奏家、作曲家としても活躍中の遠藤征志氏のすばらしい演奏と、歌手でもあるエイミーさんの津田梅子役の朗読。伊藤博文役の朗読表現者・高嶋秀明氏の朗読と音楽、多彩に変化する光の相乗効果で、すばらしい魂の旋律となり、強い感銘を受けた午後のひと時であった。

 原作・脚本は「こだまひろこ」さんの『小説 津田梅子 ハドソン河の約束―米国女子留学生による近代女子教育への挑戦』(新潮社)を基に制作されたすばらしい演技であった。

 ご興味のある方はぜひこの本を紐解いていただきたい。


<プロフィール>
中川十郎(なかがわ・ じゅうろう)

 鹿児島ラサール高等学校卒。東京外国語大学イタリア学科・国際関係専修課程卒業後、ニチメン(現:双日)入社。海外駐在20年。業務本部米州部長補佐、米国ニチメン・ニューヨーク開発担当副社長、愛知学院大学商学部教授、東京経済大学経営学部教授、同大学院教授、国際貿易、ビジネスコミュニケーション論、グローバルマーケティング研究。2006年4月より日本大学国際関係学部講師(国際マーケティング論、国際経営論入門、経営学原論)、2007年4月より日本大学大学院グローバルビジネス研究科講師(競争と情報、テクノロジーインテリジェンス)。

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