2024年11月22日( 金 )

企業コンセプトは「継手創造企業」

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(株)アクティス 代表取締役社長 河村 貴夫

培った技を新しいジャンルへ展開

両手を広げた人のイメージ:左手が技術、右手が技能、中央の球体が絶対品質を表している<

両手を広げた人のイメージ:左手が技術、右手が技能、中央の球体が絶対品質を表している

 昨年創業40周年を迎えた地元福岡の継手メーカー(株)アクティス。先代より事業を継承した現代表取締役社長河村貴夫氏は、同社が積み重ねてきたその歴史のうち、10年間を舵取り役として背負ってきた。「継手の施工会社以上の存在価値を得られるよう、動いてまいりました」(河村社長)。

 継手の施工会社は、専門工事業として仕事を請け負うなかで、1つの技術に特化し10年20年と研鑽を積んでいくところが多いという。特化することによる付加価値はたしかに生まれるものの、企業として今以上に発展していこうと考えたときには、あまりに心もとない。そこで河村社長は技術を1つに絞るのではなく、同社の理念である絶対品質を実現できる技術の品ぞろえを選択した。サービスの幅を広げることで、新規の顧客開拓を目指したのだ。さらに、単なる施工業者からの脱却を目指し、技術開発にも積極的に資本投資を行った。施工業者はどこも同じ。同社はオリジナリティを獲得することで、そんな横並び一線の状態から先んじて一歩踏み出そうとしたのだ。結果は、見事に成功した。
 「中小企業はメーカーになれない。そういうイメージを抱えられておいでの方も多いと思いますが、弊社の在り方が少しでも参考になればと考えております」(河村社長)。

 同社が生み出した新技術高強度鉄筋専用継手「3CW工法」は首都圏の高層建築工事の継手として注目されている。さらに品ぞろえとして取り組んだ鉄道のレール溶接継手も東京メトロ、小田急電鉄、新幹線と活躍の場を拡げ、日本全国の安全な鉄道運行の一助となっている。40年の歴史を支えてきた建築工事でも、それは同じだ。同社の継手商品、技術が福岡の都市景観に与えたインパクトある施工例をここで少し紹介させてもらうと、福岡タワー、福岡ドーム(現・ヤフオクドーム)、レベルファイブスタジアム、ホテルレオパレス博多等々、挙げればきりがないほどだ。
 「家族を連れて出かけたとき、子どもに『これお父さんがつくったんだぞ』と言えるのは、この仕事の醍醐味だと思います」(河村社長)。

人『財』第一で築く継手の未来

 鉄道、建築に加えて、同社の継手は今後、ますます活躍の場を広げていくだろう。そのためには情報発信も必要となってくるが、河村社長にぬかりはない。すでに同社主催の『鉄筋継手研究会』という情報提供の場を設け、顧客を含めた継手の勉強会を定期的に開催している。
 「弊社の商品や技術のご紹介もそうですが、もっとシンプルに『継手への理解』を深めてもらおうという想いで始めた会でもあります」(河村社長)。
 自社の発展だけでなく、継手業界全体へ向けられた河村社長の熱意が伝わってくる取り組みだ。品ぞろえ、技術開発、情報発信。この3つを常に意識し行動する同社。河村社長はそんなアクティスを、『継手創造企業』であると自負する。もちろん創造の要となるのは人財だ。『人が使うものが技術』。まずは人ありき。それは、同社のロゴマークにも表れている。「お客さまに、『あんたんとこの社員よかったばい』と言われたときが、何より一番嬉しいです」(河村社長)。

 河村社長の歩む次の10年が、どんなものを福岡のまちにもたらしてくれるのか、今から楽しみでならない。

<COMPANY INFORMATION>
(株)アクティス
代 表:河村 貴夫
所在地:福岡県大野城市仲畑4-2-38
設 立:1977年2月
資本金:1,000万円
TEL:092-501-5963
URL:http://www.aqtis.biz/

<プロフィール>
kawamura河村 貴夫(かわむら たかお)
1961年5月生まれ。福岡大学卒業後、(株)アクティスに入社。2001年、同社代表取締役社長に就任。趣味は音楽にゴルフ。

 

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