現場第一主義と数値への意識づけスーパーを変える
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(株)フードウェイ 代表取締役 後藤 圭介
社員に決算賞与、幹部に社用車を支給
地場スーパーとしては後発ながら、現場中心主義で着実に成長を続ける(株)フードウェイ。2000年から不振店の事業継承や閉鎖店舗の居抜き出店で業績を拡大し、食肉販売専門のミートイン・ハイマートが先行して関東圏に出店を行ってきた土台もあり、11年に静岡、12年に千葉、13年には横浜と関東出店も断行した。業界セオリーを逸脱した戦略は型破りにも思えるが、後藤圭介社長には経営者としての強かな計算がある。
「ブランディングへの注力として給与面をどこよりも高くしようと、まずパートさんの時給を引き上げ、社員にも連動しました。また残業も減らすために定時で仕事を終える仕組みをつくり、仕事にメリハリを付けるように推奨しています」と後藤社長。
昨期は創業以来、最高の年度予算を設定。全員が一丸となって取り組んだ結果、見事に目標をクリア。社員には決算賞与、会社幹部には社用車が支給された。
当然、収益を上げることが前提だが、食肉販売からのスタートであるため、食品や生鮮部門が部門単独での出店にも対応できる。各責任者も自店の部門経営を行う環境にあり、数値に対する意識が高まり、目標達成への貪欲さが芽生えたという。後藤社長がブランディングに向けた戦略を描き、幹部役員が具体的な数値計画に落とし込み、店長以下の従業員は各自の職責のもと仕事に邁進する。
みんなが同じベクトルに向うことで組織力はより強固になり、企業目的が達成されていくという好例だ。旧態依然からの脱却で仕事の可能性は大
流通小売業は、学生にとって不人気職の上位にある。しかし、それは誤ったイメージがすり込まれ、真の仕事内容が理解されていないからだという。
「従業員さんが夢や希望を持ち、働き甲斐を感じる職場に経営者がしていかないと。スーパーには、さまざまな部門があり、それぞれが専門の仕事をします。食品や生鮮4部門は当然ですが、パソコンの知識が生かせる業務、出店先を探しお店を出す開発、イベントやセールを仕掛ける営業企画、店内のPOPを制作するデザイン等々。まずは現場を知ることで、仕事の可能性は格段に広がります」。同社の職位は1等級から9等級まである。入社後、一般社員は1~2等級、部門の責任者やチーフ、店長が3~5等級、バイヤーやマネージャーが6等級。執行役員は9等級で、その上がトップになる。
等級ごとに職務内容や責任は違うが、すべて数値目標がベース。もちろん、数値は外部環境にも左右されるため、目標に向けた取り組み具合で判断される。こうした制度で社員は自分の仕事を理解し、やり甲斐を見出し、成長している。早い者では3~5年で店長に昇格。これは他社では見られないケースだ。
現場経験を積むことで、人間性や大人としての自覚を芽生えさせ、仕事のスキルやポストのアップにつなげようというのが後藤社長の考え。
売上実績や人事もオープンなため、社員同士が切磋琢磨する社風も生んでいる。同社は独立独歩の戦略で、スーパーのあり方を変えようとしている。※記事内容は2015年8月31日時点のもの
<COMPANY INFORMATION>
(株)フードウェイ
代 表:後藤 圭介
所在地:福岡市西区小戸3-24-53
設 立:2000年6月
資本金:7,300万円
TEL:092-895-2710
URL:http://www.foodway.co.jp<プロフィール>
後藤 圭介(ごとう けいすけ)
1960年3月、福岡県生まれ。91年、食肉販売の「ミートイン・ハイマート」を創業。2000年6月、スーパー部門を独立させ、(株)ハイマートを設立。14年3月、社名を(株)フードウェイに変更。法人名
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