【検証】九州地銀18行の第3四半期決算(1)
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九州地銀18行の2016年3月期 第3四半期決算(15年4月1日~12月31日)が出揃った。残り3カ月間は、このままで推移するものと見られていたが、年明けから様相は一変。中国経済の減速や原油価格の下落により、世界同時株安が進行。その上に円高が直撃し、日経平均株価は大幅な下落に見舞われることになった。そのため日銀は1月29日、景気刺激策として「マイナス金利政策」導入を発表。発表直後の二日間は株価は上昇したものの、その後は大きく下落に転じることになった。
昨年末の日経平均株価(終値)は1万9,033円71銭だったが、2月12日には今年最安値の1万4,952円61銭(前年末比▲4,081円10銭)をつけるなど、投資有価証券の低迷で、16年3月期決算は予断を許さない状況を迎えているのが現状だ。
さて、まえがきはここまでにして、これから九州地銀18行の9カ月間の実績を検証していくことにしたい。1.預金残高について (その1)
別表の預金残高順位表を見て頂きたい。順位変動があった。宮崎銀行が前期比1,437億円増(+6.6%)の2兆3,312億円となり、親和銀行の153億円増(+0.7%)の2兆2,718億円を抜いて、第7位に躍進している。
<表から見えるもの>
◆第1位は福岡銀行の9兆6,660億円(前期比+5,416億円)。第2位は西日本シティ銀行の7兆7,088億円(前期比+3,788億円)。金額および伸び率でも福岡銀行の強さが目立つ。◆比率では北九州銀行が大きく伸ばしている。前期比11.0%増(+925億)の8,395億円。次に長崎銀行が8.9%増 (+210億円)の2,362億円と続く。
◆肥後銀行と鹿児島銀行が経営統合して発足した九州FGの預金残高(単体合計)は、7兆7,995億円で西日本シティ銀行に907億円上回っている。ただ西日本シティ銀行は長崎銀行を100%子会社にしており、西日本シティ銀行グループ(以下G)の預金残高は7兆9,660億円で、九州FGを1,665億円上回っているのがわかる。
◆グループとしては第1位ふくおかFG、第2位西日本シティG、第3位九州FGの順位。ある金融関係者は「西日本シティ銀行は3月末までに単独で九州FGを抜くかもしれない」と話す。西日本シティ銀行は来年10月を目処に持ち株会社への移行を予定している。九州No.2の座を巡り、グループに属していない銀行を巻き込んだ合従連衡(経営統合)は、いよいよ早まることになりそうだ。
(つづく)
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