2024年12月28日( 土 )

人と物を大切に、100名の障害者雇用を目指す~(株)リフォーム三光サービス

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 「リフォーム」と言っても、住宅ではない。衣服のリフォーム店舗を、九州圏内で40店舗以上手がける(株)リフォーム三光サービス(所在地:福岡市早良区、宮崎高志代表)。裾上げや補整、衣服のリメイクまでサービスは幅広い。特筆すべきは、同社が障害者の雇用に積極的であることだ。「障害を抱えていても、健常者以上に能力の高い人材は多い」と語る同社の宮崎高志代表に話を聞いた。

 ――御社は昨年10月に、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構より障害者雇用優良企業として、表彰を受けています。さらには障害者の自立支援を目的に、補整技術を教えるスクールも新設されています。

リメイク ビフォア・アフター<

リメイク ビフォア・アフター

 宮崎高志氏(以下、宮崎) 弊社では、現在60名ほどの障害者を雇用しています。これまではリフォーム事業を行いながら、障害者を雇用し、育成まで行ってきました。しかし、雇用を維持しながら育成するのは、並大抵のことではありません。技術を身につけるまでは時間がかかりますし、確実に活躍してくれる人材になるかどうかは保証されていません。そこで、福祉事業を担う会社を立ち上げ、国の補助を受けながら、育成そして自立支援につなげてもらおうと考えたのです。

 ――グループ全体で、雇用確保と人材育成を目指しているんですね。すでに主力メンバーとして、活躍されている方も多いのですか。

 宮崎 現在では、我が社のエースとして、聴覚に障害のある方がレディース・メンズ部門のリーダーとして活躍しています。障害者と接するようになって初めて、これだけ多くの方が障害を理由に働きたくても働けない環境にあるのだと知りましたし、技術的、能力的にも、健常者に負けない方も多いとわかりました。
 店舗の拡大は障害者の雇用確保に直結しますから、社会貢献という意味でも、我が社の命題となります。しかし、ファストファッションに代表されるように、アパレル業界は低価格商品が出回っています。補整する、作り直すよりも、買い換えた方が安いと考える方もいます。それでも、なかには良いものを長く使いたい。これまでのモノのストーリーを大事にしたいというニーズもあります。

 ――ニーズの創出というのも、同時に行わないといけませんね。代表に就任してから、新たにどのようなことにチャレンジしているのですか。

 宮崎 弊社では衣服のリメイクをテーマにしたフリーペーパーを通じて、衣服の新しい価値に気づいてほしいと呼びかけています。モノがあふれた時代だからこそ、選択する意味を考えてほしいのです。たとえば、おばあちゃんが大事に着ていた浴衣の形を変えて、ワンピースに作り変えることで、孫に引き継ぐことができる。ストーリーは繋がっていきます。そんなオーダーも増えています。
また新しい試みとして、博多駅前に4月21日にオープンする「KITTE博多」へ出店することが決まりました。アパレル店が集まる階に、カスタマイズステーションと銘打ち、フロア店舗とタッグを組み、補整はもちろん、骨格診断やパーソナルカラー診断なども承ります。これまで各店舗が独自で行っていた裾上げ、採寸などを弊社が引き受けることになります。さらに縫製のワークショップを実体験できるスペースも運営することになり、衣服の新しい価値を提供できるチャンスだと捉えています。

syokuba

 ――面白い展開になりそうですね。今後の目標を聞かせてください。

 宮崎 今後はニーズを汲み取って、お返しするだけではなく、ニーズの創出も必要となります。東京のあるリサイクルショップでは、それまでその衣服がどのような方に、どのように使われてきたのかストーリーを記し、販売しているところがあります。リサイクルショップと提携し、リメイク商品をストーリーとともに提案できるような店舗の運営も視野に入れています。まだ道のりは長いですが、障害者雇用100名を目標に、雇用の創出、人材の育成を続けていこうと思います。

【東城 洋平】

<COMPANY INFORMATION>
(株)リフォーム三光サービス
代 表:宮崎 高志
所在地:福岡市中央区天神4-5-15
TEL:092-718-1200
URL:http://www.r3kou.jp/

 

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