2024年11月16日( 土 )

【提案】東亜大学学園廃校のお奨め(3)

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pen 近年の少子化の影響により、大学間の学生獲得競争は激化している。それぞれの大学では魅力的なカリキュラムを組んだり、教員の陣容を充実させたり、先進的で即戦力となりそうな技術の研究をアピールしたりするなどして、自らの大学の魅力を高めている。それでも学生数は限られているのだから、大学側はまさに生き残りを賭けた大競争時代に突入しているのである。限られた学生を数多くの大学が待ち構え、学生たちは自分のためになる大学、魅力的な大学を優先して選ぶことになる。その結果、厳しい状況に陥る大学も見受けられるようになってきたのだ。

 半世紀を超える歴史を刻んできた下関市の私立大学「東亜大学」。同学も厳しい状況に置かれている。2015年度は募集人員320人に対し、志願者数は320人、受験者数302人で、実際に入学したものは218名なのである。大学全体では収容定員1,280人に対して在学生数は831人。収容能力に対して64%の在学生数となっている。施設、スタッフの3分の1は宝の持ち腐れとなってしまっているのではなかろうか。
 学生の確保ができなければ、私立大学は存続が危ぶまれる。教育機関だから収益は第一命題ではないとはいえ、事業を続けるためには収支の安定がなければならない。同学の場合、理念に掲げている「実学」の考え方を体現し、認定心理士や救急救命士などの資格取得ができる、もしくはその資格試験に有利なカリキュラムを実施し、学生の心をつかもうとしているが、その効果はまだまだ明確な形で表れているとは言いがたい状況にあるのである。
 学生の心をつかみ切れない苦しい現状は、収支の数字にも表れている。

(つづく)

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