高齢者が急増する九州の交通事故死者
-
2015年1月~12月までの交通事故による日本全国の死者数は、前年の4,113人から4人増加して4,117人となり、15年ぶりの増加となった。
交通事故とは、道路交通法に規定されている道路における、車両(自転車なども含む)や、路面電車および列車によって引き起こされた、人の死亡または負傷をともなう事故を指す。多重事故は1件として計上されている。交通事故死者数が増加した要因は、事故に遭った際に致死率が高い高齢者(65歳以上)の人口が増加していることなどが要因として挙げられる。
2015年は高齢者の交通事故死者数が、14年の2,193人から54人増加して、2,247人になるとともに、交通事故死者全体に占める高齢者の割合が初めて54%を超えた。高齢化は急速に進んでおり、まだまだ増える傾向を見せている。下表見ていただきたい。表から見えるもの
◆九州で交通事故死亡者数が多いのは福岡県で、全国10位の152人。表にはないが全国1位は愛知県の213人。第2位は大阪府の196人、第3位は千葉県の180人、第4位は神奈川県の178人、第5位は北海道の177人と続く。日本全国の人口トップの東京都(13,513,734人)は161人で、第8位となっており、第4位の愛知県(7,484,094人)の突出が目立つ。
・因みに死亡者数が一番少ないのは島根県と徳島県が同数の27人で、全国46位を分け合っている。
◆福岡県に次いで多いのが、熊本県の79人。以下鹿児島県の77人、宮崎県の52人、佐賀県・大分県が同数の48人となっており、一番少なかったのは長崎県の45人だった。
◆この表で目立つのは、九州全県とも高齢者の比率が高いことだ。一番低いのは福岡県の57.2%だが、それでも全国平均の54.6%を大きく上回っている。残りの県は全て60%台後半となっているが、そのなかでも深刻なのは大分県で、69.6%。交通事故死亡者数48人の約7割を高齢者が占めている。次に高いのが長崎県の68.9%。熊本県の68.4%と続いている。※クリックで拡大
求められる対策について
近年高速道路の逆走やアクセルの踏み間違による高齢者による交通事故も多発している。
だが交通事故死者数を減少させるためには、まず根本的な交通事故防止対策を官民挙げて進めることが求められている。そうすることが高齢者の交通事故死者数の減少にもつながるからだ。
例えば人口の減少に伴い地方は過疎化しており、買い物に出かけるには、少し離れたスーパーに車や自転車を利用するしかない状況だ。そのスーパーの駐車場を平気で逆走しているのが目立つ。
これこそが、交通事故を起こす大きな要因ではないだろうか。今特に重点を置いて指導すべき場所は、道路ではなく高齢者が日々利用するスーパーの駐車場のようなところではないだろうか。最後に当記事執筆時点(3月4日)、宮崎県警はまだ27年の事故の概要を掲載していなかった。それに引き換え適格にかつ簡潔に記載していたのは、熊本県警だったことを付記しておきたい。
【北山 譲】
関連キーワード
関連記事
2024年11月20日 12:302024年11月11日 13:002024年11月1日 10:172024年11月22日 15:302024年11月21日 13:002024年11月14日 10:252024年11月18日 18:02
最近の人気記事
おすすめ記事
まちかど風景
- 優良企業を集めた求人サイト
-
Premium Search 求人を探す