売上高120億円突破を見込む「HOTEL AZ」戦略(前)
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(株)アメイズ
代表交代
九州・山口を中心に、郊外型ロードサイドビジネスホテル「HOTEL AZ」をチェーン展開する(株)アメイズの代表が2月25日付で交代した。ファミレス「ジョイフル」を全国に766店舗(2016年2月9日現在、FC含む)を展開する(株)ジョイフルの創業者・穴見保雄氏の後を継ぎ、新たに代表取締役社長に就任したのは保雄氏の二男・穴見賢一氏。(株)亀の井ホテルから現商号に変更した13年以降、「HOTEL AZ」の店舗数を倍近くに増やし、売上高を伸ばし続けている同社は、新代表のもと16年11月期に売上高124億700万円を見込んでいる。
穴見保雄氏は1935年8月7日生まれ。76年5月に、ジョイフルの前身である(株)焼肉園を設立。79年2月にファミレス「ジョイフル」の1号店を大分市萩原にオープンし、80年9月に現商号に変更。93年6月に福岡証券取引所に上場した。そして、94年5月に亀の井ホテルを子会社化。保雄氏がまず取り組んだのは、当時、本丸であった亀の井ホテル別府店の改革だ。「人件費が安い時代の方法でホテル経営を続けていくことは難しい」と判断した保雄氏は、大半を宿泊部門に替え、飲食を併設した「近代の湯治場的な別荘」という方向性を打ち出した。
亀の井ホテルの改革からHOTEL AZへ
97年7月に改築した「亀の井ホテル別府店」(当時)は、地上17階建の別府市ではひと際目立つ存在だ。「大型ホテルを作ることに当初周囲は反対しましたが、結果としては大成功を収めています」(保雄氏)。その後は、大浴場を作らず、各部屋に風呂を設置し、団体客に対応できるレストラン、物販やマッサージなどのサービスを提供。さらに、セルフサービスのバイキング形式も取り入れ、人件費を抑制した運営システムを構築していった。ホテル事業に手応えを得た保雄氏は、2002年6月に亀の井ホテルをグループから切り離し、さらに03年2月、ジョイフルを長男・穴見陽一氏に託し、持ち株を引き取るかたちで亀の井ホテルの代表取締役に就任。以後、ホテル事業に専念していく。
「亀の井ホテル」の改革を経て、保雄氏が新たに生み出した営業戦略が「郊外型ロードサイドビジネスホテルチェーン」だ。他ホテルと競合する駅周辺や歓楽街ではなく、郊外に宿泊と飲食複合施設スタイルのホテル(HOTEL AZ)を建設。そして、総務・経理は本社管理部門へ集約、営業企画・教育研修・販促プランなどは福岡事務所で統括することで、素早い店舗展開とローコスト・オペレーションを実現。利益率を向上させつつ、低価で顧客満足度を高めるという販売戦略で売上高を伸ばしていく。
13年3月1日、現商号(株)アメイズに変更し、店舗は「HOTEL AZ」の屋号に変更した。14年8月13日、福岡証券取引所に上場。14年10月29日、「資産の有効活用を図り、ロードサイド型ビジネスホテル事業に集中するため」として、「亀の井ホテル別府店」(現・別府亀の井ホテル)を40億円で売却。14年11月期には売上高100億円を突破。以後も快進撃を続けている。
(つづく)
【山下 康太】<COMPANY INFORMATION>
(株)アメイズ
代 表:穴見 賢一、児玉 幸子
所在地:大分市西鶴崎1-7-17
設 立:1924年11月(創業1911年)
資本金:12億9,998万円
売上高:(15/11)109億800万円関連記事
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