9年連続黒字決算と志願者増加。適正な投資で『伸びる』大学へ
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学校法人 福岡工業大学 常務理事 大谷 忠彦
教育と財政を支える力強い武器、MP
若者の人口が減少し始める「2018年問題」が注目される今、福岡工業大学(以下、FIT)では先見の目を持ってこれに対処してきた。経営理念「For all the students~すべての学生・生徒のために~」に基づき、経営理念を具現化し、経営目標達成を早期に遂げるため、すべての教職員が、教育・研究・社会貢献・経営・財政などの諸活動を通して一貫した行動がとれるような経営計画(マスタープラン・MP)をつくった。MPは、「教育力発揮」「研究高度化」「就職・進学力強化」「募集力強化」「経営力強化」という5つの戦略によって成り立ち、これを基本的な考えとして、各セクションでの単年度ごとの具体的行動計画(アクションプログラム)を立てる。ポイントは予算編成などとリンクしてP(計画)、D(実行)、C(点検・評価)、A(改善)を経て、さらに次の新たな計画へと向かうことだ。これにより、1つの課題が時を経て最終目標である「九州No.1の教育拠点」へと秩序正しくめぐりながら熟していく。そして、教育、経営の両面で強い学校として評価されるようになる。
教職恊働体制で前に進む大学経営
学校経営を牽引するのは、経営理念を提唱した鵜木洋二理事長を始めとする理事会および経営陣ではあるものの、理事会や経営陣の力だけがFITを引っ張っているわけではない。理事会から示された、考え方、進むべき方向性によって、各設置校、各セクションがそれぞれ力を発揮し、「教育」「研究」「学生支援」をバランス良く活性化させながら、「就職」「進学」を良好な結果に結びつけ経営を後押ししている。「各セクションの機動力が全体を動かすのです。それが当校を強くしているのです」と大谷忠彦常務理事は言う。幹部クラスからの指示を待って動くような縦割り型の仕組みではなく、理事会と教授会、教員と職員が、お互いに非常に円滑な協働関係を結んで横割り体制を築いていることは、FITの特長であり誇りだ。
FITは9年連続で計画通りに黒字決算を計上した。15年度志願者数も同じく9年連続で増加し、入学者は1,104名となった。就職率は98.5%。このような結果は対外的にも評価されている。経営・財務の自己点検・評価、情報公表などの徹底のために受けている、R&I(格付投資情報センター)とJCR(日本格付研究所)の評価で、それぞれ「A」評価、「A+」評価を受けているのはその表れだ。さらに文科省と日本私立学校振興・共済事業団が取り組む「平成26年度私立大学等改革総合支援事業」の4項目すべてに採択されたほか、キャリア教育と就活支援の取り組みが、先進事例として専門誌で紹介されるなど、評価の輪は全国に広まっている。根底にあるのは学生生徒に対する愛情
教授陣は、社会の発展に寄与すべく研究に励むとともに、教育面では学生が自主的に学ぶ意欲を高められるよう工夫を凝らし、常に役立つ情報を発信するべく研鑽を積む。そして職員たちは己の本分を、学生および授業を行う教授陣を支えることと心得、日頃から意識してスキルアップを心がける。ともに常に自分の知らない領域から全体とのバランスを取る姿勢を学び、磨く。その結果、学生たちが良い成績を収め、地域企業から「ぜひ貴校の学生さんを当社へ」と望まれながら巣立っていく。
「志を1つにすれば、一緒に頑張ることもできるし、成長の喜びをともに分かち合えます」と大谷常務理事。学生生徒のためになることを実践することによって、学生も学校も伸びていく。それを実現するプランの根底にあるのが、すべての学生生徒に対する愛情であることは言うまでもない。※記事内容は2015年8月31日時点のもの
<INFORMATION>
学校法人 福岡工業大学
学 長:下村 輝夫
所在地:福岡市東区和白東3-30-1
設 立:1963年4月
TEL:092-606-3131
URL:http://www.fit.ac.jp/<プロフィール>
大谷 忠彦(おおたに ただひこ)
福岡ダイエーホークス取締役編成管理部長などを経て、1996年、福岡工業大学常務理事事務局長に就任。前職時代に培った広い視野を学校経営に生かす。休日には地域コミュニティでの奉仕活動にも積極的に参加している。関連キーワード
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