訪日旅行支出、意外と少ない韓国~パチンコ代は?
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数字で見る「爆買い」の凄まじさ
2015年の流行語大賞に選ばれたくらい、日本に強烈な印象を残した中国人旅行者の「爆買い」。その凄まじさは金額でも立証されている。昨年の訪日外客数が499万3,805人(日本政府観光局より)だった中国は、観光庁の調べによる旅行消費額が総額1兆4,174億円。1人あたり28万3,842円、そのうち16万1,974円が買物代であった。ちなみに、中国の次に1人あたりの買物代が高かったのは、ベトナム7万5,164円。中国の金額は突出して多い。さすが「爆買い」と言われただけのことがある。
これとは対照的に、中国の次に訪日旅行者数が多い韓国(400万2,094人)は、1人あたりの旅行支出が7万5,169円で中国の約4分の1。ここでいう旅行者には、出張客など観光客以外も含まれているため、遊び以外でも日本との行き来が多い分、支出が少なくなっているのかもしれないが、それにしても意外に思える少なさである。ちなみに、韓国の次に訪日外客数が多い台湾(367万7,065人)は、1人あたり14万1,620円。中国以外と比べても韓国は、訪日外客数が多い地域のなかで“意外と”少ないのである(表参照)。
韓国では違法の支出?
実は、表に出ていない可能性が高い支出がある。「福岡市を訪れる韓国からの旅行者のなかには、パチンコで遊ぶために来ている人が多い」とは、韓国人の利用者が多いゲストハウスの経営者。「以前、韓国でも2000年頃からパチンコが流行ったが、06年に法で賭博行為として禁止された。以来、パチンコがある福岡にやって来ている」という。たしかに、福岡市では、ハングル表示の遊戯説明のほか、韓国語が話せる店員など、受け入れ体制が整ったパチンコ店が増えている。
ただし、日本ならOKというわけではない。韓国人は国外であっても賭博はNG。韓国の法律は属人主義で、国内外に関わらず、韓国人の賭博行為を禁じている。日本の法律は、パチンコを法違反の賭博行為と見なしていないが、韓国で禁止されている以上、法に触れる可能性が高いのだ。調査に対して、そうした支出(勝つ場合もあるが)を正直に答えていないことも十分に考えられる。もしかしたら、韓国の旅行者は、中国の旅行者に迫るほどの金額を日本で使っているかもしれない。
【山下 康太】
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