名ばかり?コンサルとしての手腕に疑問~MAXY・老田善弘代表
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事業所スタッフや利用者への給与未払い、加えて経歴詐称の疑いまで浮上してきている福岡県大野城市のA型事業所「MAXY」老田善弘代表。取材の過程でわかったのは、カネにまつわる複数のトラブルだった。知人のA型事業を聞きつけ、見よう見まねで始めた障害福祉事業だったが、作られた華麗な経歴と饒舌な話しぶりで順調に顧客をつかんでいた時期もあったようだ。しかし、その多くは開業前、もしくは開業して間もなくに廃業の憂き目をみている。コンサルタントとしての手腕にも疑問を抱かずにはいられない。
「話が違う」――憤る関係者
既報のように、今から5年ほど前、他人の看板でA型事業所開設の勧誘セミナーを開催したことが発覚している。セミナーでは数百万円もの出資金と事業所売上の月額の一部をコンサルフィーとする契約で、「金主」を探していた。関係者の話で、開業までのコンサルタントとして、福岡県や熊本県などで少なくとも7つの案件を手がけていることがわかっている。なかには、開業の準備段階で計画が頓挫し、コンサル料を返還していないケースも複数確認された。「聞いていた話と全然違う」――開業した代表者が口をそろえて言う。儲かると聞いていたのに、赤字続き。さらには予定していた助成金も降りてこない。「詐欺だ」と言いたいものの、事業は始まっており、出資したのは本人。「自己責任」「だまされた自分が悪い」と、何人もの出資者が涙を飲んでいた。
手がけた事業所、廃業続く
しばらくしてコンサル業に加え、事業主としての姿を見せるようになる。しかし、あくまで書面上には名前の出ない「裏」の事業主だ。3年ほど前から福岡市内で事業所の運営を手がけ始めた。コンサルで手にする金よりも多くの資金を扱えるのは間違いなく、市内中央区の同一ビル内で、3つのA型事業所の運営に関わっていた。関係者への取材で、それぞれの「表」の事業主から少なくとも500万円出資、または借用するかたちで私的流用した疑いも浮上している。やはり金をめぐってのトラブルで、3つの事業所とも廃業。うち1つは、福岡市からの指定取り消し処分を受けていた。
そのころには、業界内ですっかり名の知られた人物となっていた。要注意人物として、役所関係でも噂されるほどになり、福岡市ではもうA型事業は厳しいかとみるや、他市、他県へ足を伸ばす。地方都市での新規開業には助成金が付いてくる。そして、MAXYが事業所を置く大野城市がターゲットになった。
2017年には、大野城市だけで3つの事業所を開業。その1つが、渦中のMAXYだ。残りの1つはすでに廃業、もう1つは老田氏とは比較的早期に関係を解消できたことで、運営は続いている。しかし、当初の老田氏の説明とは違い、現在も厳しい運営が続いているという。
同じく17年には長崎に進出。立ち上げに深く関わった長崎市内のある事業所は、開業から1年となる今年2月に閉鎖され、会社は破産の道を選んでいる。関係者によると、ここでも数百万単位の資金が、貸付金という名目でMAXYにわたっているという。
老田氏は、立ち入り調査後に応じたデータ・マックスの単独取材において、事業主からの借入金のほとんどを否定した。運営資金の私的流用疑惑についても強く否定しているが、「被害」を訴える多くの関係者が物証とともに、説得力を持った話をするのと対照的に、老田氏は根拠も示さずに否定するのみだ。
現在、老田氏は大野城市で新たなA型事業所の開業を計画しているようだが、さてどうなるか。経験豊富な老田氏のコンサルタントとしての手腕が問われる。▼関連リンク
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