三菱重工、大型クルーズ客船建造の損失は累計2,375億円に
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三菱重工(株)は25日、大型クルーズ客船の建造が遅れたことで、2016年3月期第4四半期に特別損失508億5,000万円を計上すると発表した。この事業の損失は、累計2,375億7,100万円となった。同社は11年11月、大型クルーズ客船事業の大手・カーニバルグループ傘下のアイーダ・クルーズ社より、大型クルーズ客船2隻を受注。1番船「アイーダ・プリマ」は当初15年3月の引渡予定であったが、最終的に今年3月14日に引き渡された。
1番船の引渡しまでの間、「プロトタイプの客船建造の困難さが顕在化したことなどにより、大幅なコスト悪化が発生」(同社)したことから、14年3月期(連結)で特別損失641億2,600万円を、15年3月期(連結)で特別損失695億3,400万円をそれぞれ計上。さらに、工事終盤における設計変更や、最終工程で判明した不具合の対応などで、引渡時期を延期。これにより16年3月期第3四半期に530億6,100万円を特別損失に計上していた。
16年第4四半期では、主機不具合の発生、海上試運転で発注元より指摘された騒音の対策、3度の不審火発生などで、さらに引渡時期が遅れた。同四半期の追加損失計上で、16年3月期における客船事業関連損失は計1,039億1,100万円となった。同社は、16年3月期(連結)の業績予想で、今回の特損計上によって、親会社株主に帰属する当期純利益を前回予想から240億円減となる660億円に下方修正した。なお、1番船の納期遅れの影響から、すでに2番船の年内引渡しは困難と見られており、さらに損失が拡大する公算は高い。
【山下 康太】
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