2024年11月27日( 水 )

舛添氏辞任なら辞任するべき人物が多数存在

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、「政治資金の不適正な使途が問題にされるなら、多数の政治家がやり玉にあげられなければおかしい」などとした、6月15日付の記事を紹介する。


 7月10日の選挙に向けて、この国のかたちをはっきりと認識して、何を争点として選挙に臨むべきかをすべての主権者が考えなければならない。5月24日に鳩山由紀夫氏の東アジア共同体研究所が主催する第14回世界友愛フォーラムで講演をさせていただいた。

 「安倍政治の本質とブレイクスルーの方策」を公開していただいているので、ぜひご高覧賜りたい。講演内容は以下のとおり。

1.この国のかたち 米・官・業・政・電による日本支配
2.暴走する安倍政治 立憲主義と日本国憲法の破壊
3.暴走する安倍政治 戦争と原発の推進
4.暴走する安倍政治 アベノミクス失敗と消費税増税
5.暴走する安倍政治 弱肉強食推進成長戦略とTPP
6.鳩山政権殲滅工作 誰が鳩山政権を破壊したのか
7.資本主義対民主主義 ブレイクスルーの方策

 参院選に向けて、考え方を整理する上で、ご参考にしていただければありがたく思う。何よりも大事なことは、「安倍政治を許さない!」と考える主権者と政治勢力がひとつにつながり、大同団結、連帯することである。

 さて、東京都知事の舛添要一氏が東京都知事を辞職する辞表を提出した。舛添氏は私が大学に入学したときに教養課程で政治学の講義をしており、そのときからの接触がある。報道関係の番組でよく一緒に出演もしていた。

 今回は政治資金の使途における公私混同問題がクローズアップされて、辞任に追い込まれた。本来、公職にある者は、「公」と「私」の区別を厳格にしていなければならない。血税の使い道は「公」の目的に限られる。政治資金の使い道も「公」の目的に限られる。正しい政治を行う第一歩は、政治に関わる者の清廉潔白さである。その視点から見れば、舛添氏が辞任に追い込まれたのはやむを得ないと言って良いだろう。

 もうひとつ重要なことは、「謝罪の作法」である。「謝罪」するべきことがあるなら、率直に「謝罪」することが一番大切だ。パーフェクトなどないのだから、過ちはあるだろう。事実に正面から向き合い、事実を認め、そのことに見合う謝罪を真摯な姿勢で示す。その結果、許しを得られるのか、許しを簡単に得られないのかは、謝罪を受けた側が決めることで、「過ち」の代償として、その裁定には従うほかない。

 事実を認めず、真摯な謝罪を示さず、「過ち」の代償から逃れる行動は、「逃げ」であり、謝罪を受ける側の反発をさらに強めてしまう結果をもたらす。舛添氏の説明のほとんどが「言い逃れ」であると判断され、主権者の「許す」の正反対の反応を招いたと言える。

 この点について言えば、6月1日の安倍晋三首相の消費税増税再延期会見の姿勢も極めて類似したものであると言える。「消費税再増税の再延期はない」と断言した。しかも「景気判断条項を付すことなく消費税再増税を実施する」と断言していたのだから、その増税を再延期するなら、まずは率直に謝罪をするべきであった。謝罪をし、その上で、再延期を決意した理由を述べる。それについて、理解を得られるのかどうかを、選挙での審判によって受ける。この姿勢が必要であった。

 謝罪せず、「新しい判断」で再延期すると開き直り、参院選の争点は「アベノミクスを加速させるのか、逆戻りさせるのかだ」と強弁しては、主権者は安倍氏に厳しい判断を示すことになるだろう。しかし、安倍氏に対してはメディアが攻撃せず、舛添氏に対しては過剰とも言える攻撃を展開した。政治資金の不適正な使途が問題にされるなら、多数の政治家がやり玉にあげられなければおかしい。安倍首相の政治資金の使途についても、舛添氏と同様に問題とされるものがある。

 舛添氏をこの問題で辞職に追い込むなら、安倍氏も辞職に追い込まなければならない。この点を考えると、舛添氏辞職の裏側には、やはり大きな力が働いていると見るべきである。主権者の多くがメディアの思うままに誘導されている現実を直視することが何よりも重要である。

※続きは6月12日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1461号「2016年東京都知事選の候補者人選」で。


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・植草一秀の『知られざる真実』

 

 

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