『共生社会』の実現へ~現場主義で本来の民主主義を取り戻す(後)
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民進党・県政クラブ県議団 福岡県議会議員(古賀市) 田辺 一城 氏
決して保守ではない安倍政権の政治姿勢
――政治家として掲げているテーマについてお聞かせ下さい。
田辺 政治に限ったことではありませんが、私は、働くうえで大切なことは理念だと思っています。社会課題を解決することが政治家の存在意義であり、それを実現するために、私は、民進党が「共生社会」としている、1人ひとりを大切にしていく社会、個人が尊重される社会、多様性を互いに認め合える社会、その実現を目指して活動しています。
今、私たちの国家は、それらの理念が具現化したものではなく、私は強い危機感を持っています。そこでどうするかが、私たち政治家の仕事です。まず、理念を具体的に形にするには、まず、意識を共有できる仲間が増えていかないといけません。――現政権についてはどのように感じていますか。
田辺 少なくとも安倍政権は、異なる意見に耳を傾ける、本来の保守政治を行っていません。それは安全保障法制に関する終始一貫した態度に見られました。安倍首相は、自分のことを「保守だ」と言っていますが、私は、「彼は革命をやっている」と理解しています。保守政治は漸進的に社会を変革するものであり、なぜ、漸進的かといえば、調整が必要であり、いろいろな考えを許容していかなければならないからです。安倍政権は急激に変えています。
民主主義とは、多数を握った人間が自分たちの思い通りに事を動かすことではありません。自分たちとは異なる他者の意見に、どれほど寛容であって、どれほど取り入れるかを試行錯誤しながら何らかの判断をしていくものです。
今年7月の参院選では、自民党が議席を多くとっています。その事実は受け止めなければなりません。与党に対しても、きちんと私たちの理念が伝わるように働きかけていかなければなりませんが、これがなかなか難しく、私は選挙しかないと思っています。参院選では、古賀之士氏の応援に全力で取り組み、民進党の支持拡大のために行動しました。1人ひとりにきちんと伝えていけば、私は『変わる』と思っています。(了)
【聞き手・文:山下 康太】
<プロフィール>
田辺 一城(たなべ・かずき)
1980年5月16日生まれ。古賀中学校、福岡県立福岡高校、慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、2003年、毎日新聞社入社。原発事故や災害弱者、日本人拉致問題などを取材。06年、大阪本社社会部に配属。11年4月、福岡県議会議員選挙に初当選し、現在2期目。広域行政推進対策調査特別委員会副委員長、農林水産委員会委員、議会運営委員会委員などのほかは、衆議院の福岡4区(宗像市・福津市・古賀市・糟屋郡)で民進党幹事長を務める。
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