ヤマシタHD、桜十字系株主の3議案に反対 社外取締役選任や増配を提案

 22日、ヤマシタヘルスケアホールディングス(株)(福岡市博多区、山下尚登代表)は、株主のトリプルフォー投資事業組合から受けた株主提案について、取締役会として全議案に反対すると発表した。

 提案されたのは、桜十字グループの現役幹部2人を社外取締役に選任する議案、1株当たり100円を配当する剰余金処分議案、社外取締役全員で構成する「企業価値向上委員会」の設置を定款に定める議案の3件。提案株主は、同社のROEが近年7%前後にとどまり、PBRも長期間にわたり1倍未満で推移しているとして、資本効率や株主価値の向上を求めている。

 提案株主の業務執行組合員である(株)CARPE DIEMは、病院事業、高齢者住宅事業、予防医療事業などを展開する桜十字グループの企業。CARPE DIEMが提出した大量保有報告書などによると、6月18日時点でヤマシタHD株の18.43%を保有する主要株主となっている。

 ヤマシタHDによると、CARPE DIEMは2025年6月、ヤマシタHDグループが桜十字グループの病院施設などに医療機器を販売することや、桜十字グループがヤマシタHD株を20%以上保有することなどを含む資本業務提携を提案した。

 これに対しヤマシタHDは、特定の医療法人などと資本業務提携関係を構築すれば、医療機器販売会社としての中立性・公平性を損ない、取引先偏重による事業上のリスクを招く可能性が高いとして、同年12月に提案を拒否した。その後、CARPE DIEM側は、総議決権の3分の1に至るまで株式の保有割合を引き上げる意向を表明したという。

 桜十字グループの現役幹部で社外取締役候補として提案されたのは竹中暢氏と古賀大地氏の2人。竹中氏は桜十字グループの執行役員などを務め、資本業務提携をめぐるヤマシタHDとの交渉にも参加した。古賀氏は(株)桜十字のグループ財務経理責任者を務めている。ヤマシタHDは、両氏が桜十字グループの意向や利益に影響を受ける可能性があり、一般株主との利益相反が生じる懸念があるとしている。

 配当をめぐっては、会社側が、山下医科器械(株)の創業100周年記念配当を含む1株107円を提案する予定。一方、株主側の提案書では、1株100円の配当案について、会社側の利益処分案と独立して両立する「追加」の提案としている。会社側は、自社案が株主提案を上回る水準だと説明する一方、連結配当性向30%を基準とする配当方針を変更するものではないとしている。

 企業価値向上委員会の設置についても、特定の名称や構成をもつ委員会を定款上に固定すれば、経営環境の変化に応じた機動的で柔軟なガバナンス体制の構築を困難にする恐れがあるとして反対した。

【寺村朋輝】

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