福岡・大川市、「大川の駅」建設事業費返還を求めた住民監査請求却下される
福岡県大川市が2025年に廃止を決定した産業・観光振興拠点「大川の駅」をめぐる問題で、同市の会社役員らが市に対し、関連事業費として支出された約2億8,300万円を倉重良一前市長に返還させるよう求める住民監査請求を行っていたが、17日付で市監査委員は工事に関する契約締結などは、1年以上前の財務会計行為で「監査請求期間を過ぎている」として却下した。
住民監査請求は地方自治法第242条に定められているが、同条第2項で「当該行為のあった日又は終わった日から1年を経過したときは、これをすることができない」と規定されている。
総務省資料から住民監査請求の流れ
市が公表した監査結果によると、25年5月以前の財務会計行為である大川の駅整備仮設搬入路設置工事に係る契約締結や公金支出についての請求などが対象外として却下された。一方、請求期間の対象内である「道の駅整備予定地地盤対策工事」の工事費支出に関しては、江藤義行市長のもとで行われた財務会計行為で「請求に理由がない」として棄却した。
大川市では、倉重氏の前任である鳩山二郎氏(現・衆議院議員)が市長時代に国重要文化財「筑後川昇開橋」を臨む同市大野島に「大川の駅」を整備する計画が始まり、27年度末の開業を目指していた。
しかし、市議会内の市長派・反市長派の対立から大川の駅建設事業の可否が市を二分する対立へと発展。倉重氏の市政運営に批判的な市民による反対集会が行われ、市に署名が提出されるなどした。
24年9月の市長選で、家具企画開発会社相談役(当時)・江藤義行氏が、鳩山氏も全面支援した現職の倉重氏を破り当選した。市長就任後、大川の駅の事業化見直しを行ったが、副市長選任の人事提案は市議会が6回にわたり不同意となっており、市長と市議会の関係は改善されていない。今回の住民監査請求も大川市政をめぐる対立が背景にあるとの声も聞かれる。
今回の監査結果を受け、請求人の代理人・永尾廣久弁護士(不知火合同法律事務所)は住民訴訟を行うことを明らかにしており、大川の駅問題は、司法の場へと舞台を移すことになった。
【近藤将勝】









