新体制で新しい風が吹く!同族外承継でさらなる飛躍へ(前)
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(有)二鶴堂
次世代後継者育成への取り組み
「博多の女(ひと)」で有名な博多菓子工房の(有)二鶴堂。1952(昭和27)年、福岡市中洲にて橋本富市氏が創業した老舗菓子製造会社である。創業から60年を超す同社は、バームクーヘンの中に小豆羊羹が入り、洋と和が織りなす独特な味のハーモニーの「博多の女」(72年発売)をはじめ、数多くのヒット商品を世に送り出してきた。焼き芋にすると甘みが出る品種のさつま芋を使用した「博多ぽてと」や、博多の女の製造工程で出るバームクーヘンの切れ端をヒントにつくられた「博多バームスティック」は2010年9月の発売以降、JR博多駅、福岡空港の土産物売り場にて『博多土産の定番』として、世の中に浸透している。
同社の橋本由紀子会長は、創業者・橋本富市氏の長女。経理畑を主に歩み、2000年9月に代表取締役社長に就任。「伝統」と「創作」という創業者の想いを伝承して、消費者に喜ばれる博多ならではの菓子づくりを行ってきたが、自身も世代交代を考える時期に入り、7年前の9月、全社員経営を目的に、スタッフを若手精鋭集団に育て上げる「次世代経営塾」という社内勉強会をスタート。これは毎年精鋭30名を選抜し、1年間の期間中毎月1回、本社にコンサルタントの先生を講師に招いて行う本格的なもの。受講生はリスクマネジメントから財務、営業戦略、広告戦略、商品開発などを学ぶ。一人一人が部門を超え、自由活発に忌憚のない意見が出せる環境で取り組み、物事を否定的に捉えず、プラス思考をもって未来を創り込んでいる。
先を見据えた事業展開、そのなかでも人財育成に重きを置いた取り組みから7年。昨年10月、同社は橋本由紀子社長が代表権のある会長に、そして副社長だった真木 聡氏を社長に昇格させる人事を発表した。真木氏は08年に入社後、統括部長を経て13年に副社長に昇格した人物である。
博多菓子業界に新風を
「社長就任以来、組織力強化を図るため人材育成と組織改造に力を注いでおります。また、自らトップセールスを行うなど新市場開拓を中心に、業績の肝となる営業力の強化を戦略的に行っています。老舗の看板、創業者らが築いてきた伝統とブランドをしっかり守っていくことが一番大事な仕事だと思います。プレッシャーは感じますが、やりがいもあります。業界の常識に捉われず会社を進化させ、失敗を恐れずにやっていきたいです」と真木社長は抱負を語る。
越境の時代にどのように攻めていくか。真木社長は商品開発をメインに行うが、これこそ変化に対応していかなければならない分野である。イノベーションを行いながら、常に新しい物をつくるためにチャレンジしていく気持ちを持っている。「博多土産業界、そして社内に新風を巻き起こしたい」と、真木社長はプレッシャーを楽しんでいる印象を受けた。同社の商品は、前述の次世代経営塾の塾生らが開発する。昨年2月、福岡特産のあまおうを使用し、ミルク羊羹を流し込んだ「博多の女 あまおう苺ミルク味」を発売し、大ヒットを生んだ。しかし、その誕生への道のりは並大抵のものではなかった。
(つづく)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:橋本 由紀子
所在地:福岡市東区馬出6-15-21
設 立:1952年12月
資本金:4,100万円
TEL:092-621-8881
URL:http://www.nikakudou.co.jp<プロフィール>
橋本 由紀子
72年に(有)二鶴堂に入社。社長を経て15年10月に代表取締役会長。<プロフィール>
真木 聡
統括部長を経て13年から副社長就任。15年10月に取締役社長に昇格。法人名
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