トランプ大統領選出した米国民のメディアリテラシー
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、米大統領選でのトランプ候補勝利の陰にあるアメリカ国民のメディア不信とその実像を伝える、11月10日付の記事を紹介する。
米国大統領選でのトランプ候補勝利に、メディアが動揺、狼狽を示した。
クリントン候補を支持し、トランプ候補を非難しまくっていた識者は、トランプ選出の現実を目の当たりにして、弁解、変節、言い逃れに終始している。
今回の大統領選で特筆されることは、米国の国民がメディアの誘導に流されなかったことである。メディアは徹底してトランプ潰しを実行した。いかなる手段を用いてでもトランプを落選させるという、卑劣で不正な行動を展開した。
この情勢のなかで、米国の主権者はトランプを新大統領に選出した。日本で類似した情報操作が行われたなら、主権者の多数が、その情報操作に流されてしまっただろう。2012年12月の総選挙以降、日本の国政選挙では、安倍政権を誕生させる、あるいは支援する報道が展開され続けた。
この情報誘導によって、日本の主権者の行動が大きく歪められたのである。トランプ候補は選挙戦のさなかに、メディアによる卑劣で不正な情報誘導に対する抗議の発言を示した。このことによって、多くの主権者がメディアの偏り、メディアの歪みを再確認した可能性も高い。
私は、9月28日付ブログ記事「ヒラリーが大統領に就任できない可能性」で、9月26日に実施された候補者討論会について次のように記述した。
「トランプ氏の切込みに対して、クリントン氏は笑顔を絶やさずに切り返した。このことから、評点はクリントン氏優位に傾いたが、今回大統領選で浮上しているのは、既存の権力層が市民の素朴な疑問に真摯に答えないことに対する市民のいら立ちなのである。クリントン陣営にはこの点に対する認識が不足していると見られる。「討論に買って勝負に負ける」結果がもたらされる可能性は低くないと思われる。」
「クリントン氏がトランプ氏の指摘に対して、「上から目線」の「批判に正面から向き合わない」スタンスでの対応を維持する場合、上記の接戦州でのとりこぼしを重ねる可能性がある。トランプ氏選出の可能性は依然として低くないと見ておくべきだろう。」
米国大統領選でのトランプ候補の勝利は、米国民が「米国の既得権益勢力による米国支配」に対して反旗を翻したものである。
※続きは11月9日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1588号「トランプ大統領選出した米国民のメディアリテラシー」で。
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