2024年11月29日( 金 )

2017年を鋭く予測~植草一秀著『反グローバリズム旋風で世界はこうなる』

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book ドナルド・トランプの勝利を的中させた評論家はほとんどいない――むしろ、トランプ候補を少しでも評価する姿勢を見せるだけで非難の標的になったのが、2016年の米大統領選だったといえよう。
 本書の著者・植草一秀氏は、そんな世評にとらわれることなく、トランプ勝利の可能性を指摘した数少ない評論家の一人である。伊勢志摩サミット、オバマ米大統領の広島訪問、消費税率引き上げ延期、英国のEU離脱――。2016年に起こったさまざまな事象を、植草氏はその時々の世論やムードに流されることなく、ひとつひとつ冷静に見通してきた。その眼力はやはり群を抜いている。
 その植草氏が、2017年を予見して放つ書が『反グローバル旋風で世界はこうなる』(ビジネス社刊 1,500円税別)である。さまざまな事象を透徹した理性で俯瞰し、来る2017年に世界経済と金融市場がどう動くかを予測する。第一流のアナリストとしての面目躍如、植草氏の真価が存分に発揮された一冊である。

 2016年も暮れになって振り返ると、まず多くの経済評論家の予想を裏切ったのが、「中国経済崩壊せず」であろう。かねてから爆発的な拡大を続けてきた中国経済だが、「世界の工場」と呼ばれるほど強力に第二次産業をけん引してきた人件費が上昇を続けていること、沿岸の都市部と内陸の農村部の格差が拡大し続けていること、民族・宗教紛争を抱えていること、日本やアメリカと軍事的緊張を抱えていることなど、政治・経済・外交・安全保障など多くの面で高いリスクに直面し、どこかで高転びするものだと思っていた向きもあるだろう。しかし実際には、中国経済は堅調に推移し、植草氏の予想通り「底入り」を果たした。

 このほか、トランプ政権下のアメリカの今後、世界経済の復調、日銀とアベノミクスの凋落、TPPとグローバリズムなどさまざまな分野での植草一秀氏の卓越した予想が綴られた、2017年を占う上では必読の一冊である。

【深水 央】

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