福岡地区生コン 強者2社に組合はどう立ち向かう?
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先日当NETIB-NEWSで既報した、生コンアウトサイダーの雄である(株)サカヒラ(本社:福岡県飯塚市、坂平隆司代表)は、東区箱崎ふ頭に生コン工場を有する(株)冨士機(本社:福岡市博多区、藤田以和彦代表)の近隣にいよいよ進出すると目されている。
この2社はそれぞれ卓越した経営手腕を有していることは、福岡県内の経済界に関わる人々の誰しもが知るところ。
(株)サカヒラは、創業より半世紀を超える社歴で、福岡県内での総合建設業そして筑豊と福岡地区での生コン製造販売で実績を積み重ねている。これら本業で地道に着実に業績を作り上げているのだ。毎期の売上高は60~70億円台を推移し、自己資本比率は70%前後で、保有する現預金は50億円を超えている。前社長で現会長の坂平忠一氏の丁寧な営業活動は、スーパーゼネコンおよび地場ゼネコンが一目置く。「いつも謙虚な姿勢で営業活動を行われている。坂平会長自ら出てこられて、じっくりコミュニケーションをとっております。誠実で熱心に仕事されており、高い信頼関係を作り上げております」という福岡県内のゼネコン幹部のコメント。その意志は、現社長の隆司氏にも引き継がれている。また、小口の一般顧客に対しても親切丁寧に対応し、生コン販売しているという。
(株)冨士機は、建設汚泥処理を通して環境エンジニアリング事業を構築し、東京メトロとの共同事情、阪神高速道路など大都市圏のインフラ整備の事業に進出。現在は、リニア中央新幹線の事業へも参加し、100億円規模の仕事を受注している。また、グループ会社の(株)エフ・エム・シーが生コン製造を行っており、独自の技術開発により高い生産能力と品質の生コンを供給し続けている。以上の2社に共通していることは、経営トップが自ら創意工夫をしてマネジメントしていることだ。そして適材適所に人材を配置し、高い営業力と技術力を持ちながら、日夜研究開発を怠らず進化するために一丸となって謙虚に努力していることだ。
この2社の福岡地区進出で、福岡地区生コンクリート協同組合が厳しい立場に立たされる。なぜなら2社とも価格決定権を持ち、それぞれ“適正価格”で営業が可能である。そのバックボーンも2社には十分備わっており、余力を持ってなかで営業を行うことができる。
同協同組合の34工場が集結しても、この2社に対抗する経営的な体力はないだろう。それでも、組合活動を維持しようとするなら、早期の工場集約化そして共同配送を実施し、各社各工場の枠を超えたフレキシブルなマネジメントを行うことが、本当に求められている。過去の実績や慣習に固執せず新たなマネジメントを行うのか、このまま手をこまねいて終わるのか──同協同組合の今後に注目である。【河原 清明】
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