『野党協力の深層』見極め国民政権樹立の道探る
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、政権交代をもう一度実現するためには、清冽な“渓流水”と清冽な“地下水勢力”が合流して、清冽な政治実現を国民に訴えることが重要とした、12月22日付の記事を紹介する。
水と油の融合は可能なのだろうか。清冽な水と汚れきったヘドロのような油。渓流を流れてきた水と高山の地下深くに沁み渡り噴出する清冽な地下水は難もなく融合するだろう。
しかし、これと汚れた油の融合は難しい。2009年に政権交代を実現させた原動力は「清冽な地下水」である。この清らかさが人々の共感を誘い、見事な政権交代を実現させた。しかし、新たに樹立された政権に巣食い、この新政権を内部から破壊したのは、潜んでいた汚れた油の勢力だった。
汚れた油の勢力は、いまなお存在し続けている。そして、この汚れた油の勢力が清冽な渓流水と地下水の融合による新しい政権の樹立を妨害している。
迂遠ではあっても、水と油を切り離し、もう一度、清冽な地下水による政権樹立を目指すことが、結局は近道になるのではないかと思う。汚れた油勢力に、民衆の支持を広く集める求心力は働かないはずだからだ。平野貞夫元参議院議員が自由党代表の小沢一郎衆院議員との最新の対談をも収録して『野党協力の深層』(詩想社新書)を出版された。帯には「共産党の大転換、自由党の再起動」の文字が躍る。これまで明かされなかった共産党との国会秘話とともに、共産党大転換の過程を追い、野党協力、政権交代への道を探る書である。
2015年9月19日に、安倍政権は憲法破壊の戦争法を強行制定した。この暴挙を受けて、共産党は、戦争法廃止を軸に国民連合政権樹立を呼び掛けた。これを契機に野党共闘への動きが活発化し、2016年7月参院選では、一定の成果も生まれている。
しかし、議会で過半数議席を占有しなければ政権交代を実現することはできない。32ある1人区のなかの11選挙区で野党共闘が勝利を収めても、政権交代には至らない。政治は自己満足では意味がない。小沢一郎氏は野党4党の共闘を広く呼び掛けるが、この運動を破壊しようとする勢力が懸命にアピールしていることが、「国民や民進党の中にある「小沢一郎元民主党代表に対する心理的拒否反応」と「共産党に対する歴史的拒否反応」であると平野氏は指摘する。まさにその通りである。
しかし、このプロパガンダを懸命にまき散らしているのは、紛れもなく、民進党内に巣食う「汚れた油」勢力であると私は判断する。政党区分で言えば、民進、共産、自由、社民が結合して、自公と真正面からぶつかれば、政権交代を再度実現できるように見えるが、私はこの点を楽観視していない。
野党共闘の中核に「汚れた油」勢力が巣食っている限りは、主権者国民の広範な支持、積極的な投票行動を期待するのは困難ではないかと考えるのである。清冽な渓流水と清冽な地下水勢力が合流して、清冽な政治実現を国民に訴える。これが政権交代をもう一度実現するための、遠いように見えるが実は近い道であると私は考える。
※続きは12月22日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1622号「汚れた油を排し清冽な水脈連合で新政権を樹立」で。
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