2024年11月22日( 金 )

2016年伸びた企業 2017年注目企業~コカ・コーラウエスト(株)

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今年の企業コカ・コーラウエスト(株) 4月に1兆円企業へ

irohasu 今年4月、コカ・コーラウエストはコカ・コーライーストジャパンと合併しコカ・コーラボトラーズジャパンに商号変更する。売上高は単純合算で1兆36億円。名実ともに日本を代表するコカ・コーラボトラーとなる。

 コカ・コーラウエストは他社に先駆けてボトラー再編を進めてきた。前身の北九州コカ・コーラボトリング時代の1999年、山陽コカ・コーラボトリング(広島市)と合併。これを手始めに2001年に三笠コカ・コーラボトリング(奈良県)、06年に近畿コカ・コーラボトリング(大阪府)、13年には南九州コカ・コーラを子会社化。後に3社とも吸収合併した。15年には四国コカ・コーラボトリングも子会社しており、同社に対しても同じ手法がとられるだろう。

 コカ・コーラウエストが西日本地区で積極的に再編を進める一方で、東日本での再編は出遅れた感があった。しかし、13年に関東地区の4社が一気に合併し、コカ・コーライーストジャパンが誕生。これでウエストとの統合機運が高まった。昨年1月にイーストジャパンが仙台コカ・コーラボトリングを合併。今年は総仕上げともいえる両社の統合がなされる(北海道、みちのくなどは独自経営を継続)。

 近年、清涼飲料業界、とりわけ首位のコカ・コーラグループを取り巻く環境は厳しくなっていた。国内市場縮小に加えて、健康志向の高まりによる世界的な炭酸飲料への批判。加えて、猛追するサントリーら2位以下とのシェア争いなど。

 コカ・コーラウエストは10年に青汁で知られるキューサイを買収。いちはやく健康志向の商品の取り込みを進めてきた。本業においても、15年12月期以降にはお茶や水などの非炭酸はもちろん、炭酸飲料も大幅に出荷を伸ばした。16年第3四半期では主要8ブランド、なかでもコーヒーのジョージア、お茶の綾鷹、ミネラルウォーターのい・ろ・は・すを大幅に伸ばしている。

 コカ・コーラウエストは、99年にコカ・コーラが導入した「アンカーボトラー」制度の第1号に認定されている。「アンカーボトラー」制度はボトラーの広域化を目指して導入されたもの。高い販売実績を有し、認定されれば経営の自由度が高いとされる。それでも国内市場だけを対象にしていれば、いずれ縮小は避けられない。ライバル・サントリーは海外有名ブランドのM&Aを駆使しながら市場を切り取ってきた。

 こうした状況下でコカ・コーラボトラーズジャパンが誕生すれば、海外への進出が現実味を帯びる。「コカ・コーラ」のブランド力はもちろん、成熟した市場で培ったコーヒー飲料などの商品力は海外でも力を発揮する。また、国内どのボトラーも持ち得なかった健康飲料のノウハウも生きてくるだろう。コカ・コーラボトラーズジャパン誕生後は海外を含めた次のM&Aも現実味を帯びる。それは新たな業界再編の呼び水になる可能性もある。

【鹿島 譲二】

<COMPANY INFORMATION>
コカ・コーラウエスト(株)
代 表:吉松 民雄ほか1名
所在地:福岡市東区箱崎7-9-66
設 立:1960年12月
資本金:152億3,100万円
売上高:(16/3連結)4,404億7,600万円

 

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