神山町疑惑の業者選定 委託先候補は「存在しない」幽霊会社
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徳島県神山町の公共事業において、福岡の幽霊会社が随意契約の委託先候補に挙がっていた。法人登記されているが、存在しない「幽霊会社」とはどのような意味なのか。渦中のカーディナリス(有)(本社:福岡市中央区、井上順一代表)の法人登記には「解散の事由」が以下のように記載されていた。
設立5年以内に変更が必要
「当会社は、資本の総額を300万円以上とする変更の登記若しくは株式会社、合名会社若しくは合資会社に組織変更した場合にすべき登記をしないで設立の日から5年を経過したとき又は新事業創出促進法の確認を取り消されたときに解散する」。
つまり、設立から5年以内に増資や組織変更がない場合、解散するという意味である。会社設立が2005年3月24日。登記を確認した、2016年12月時点で、変更のないまま10年以上経過しており、会社法上、「解散した」会社である。
弁護士に確認すると、以下のような回答だった。
「解散事由として、設立後5年経過時点で資本金増資等も実現しておらず、解散しているはずのことになります。本来であれば、2010年に解散登記をして清算手続をして閉鎖となるべきところです。それにもかかわらず、登記等を何もしていないまま6年以上が経過していますので、現実には何の活動もしていないという可能性は高いかと思います。定款を変更して増資しなくても解散しないように解散事由を変更しているのであれば、その旨の変更登記が必要です。本来解散している会社で、変更登記事由が発生しているのに、登記さえしない怠慢な会社に公共事業を発注してもいいのかという問題はあるかと思います」。
疑惑の会社を訪問
幽霊会社カーディナリス(有)を訪ねた。本店所在地はマンションの1室で、会社の表札はなく、代表者名がポストに確認されただけ。取材を通じて得た連絡先には電話すら通じない。このような法人に、公共事業を任せるという選択はあり得ない。町幹部は、「登記や実態を確認していなかった」というザル仕事だ。問題となって当然である。さらに同社について調査を進めると、意外な事実が次々と判明してきた。同社代表が、稼働実態の確認できない複数の会社を設立していることがわかったのである。
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【東城 洋平】
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