2024年11月23日( 土 )

起業4年で売上130億超 医療機関の悩み解決(後)~(株)エーエヌディー

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 起業からわずか4年で年商137億円を見込むベンチャー企業が福岡にある。福岡市博多区に本社を構える(株)エーエヌディーだ。医療機関が抱える、長年の課題を解決するシステムがニーズを捉えた。今の目標は、2020年までに売上高1,000億円を達成すること。久保田洋充代表は「達成が目標ではなく、達成までの時間を縮めることが目標」と早期実現に自信をのぞかせる。起業から今後の展望まで、話を聞いた。

上場、そしてアジア展開も視野

 ――これまでの取引実績は?

 久保田 4年で取引先は全国の病院に広がってきています。2年目より消耗品の物品管理(SPD)をスタート。それまで1億程だった売上は12億まで伸びました。それだけでは、今まで以上の成長はないと考え、ファイナンスを組み込んだのです。そこは競合がいない、まさに「ブルーオーシャン」だったので、3期目には44億まで売上高が伸びました。2017年3月期の売上高は130億円超を見込んでいます。内訳は九州6割、首都圏4割。今後は首都圏が伸びていくでしょう。

 ――類似業態で競合するモデルや後発企業はありますか。

kubota2 久保田 総合的にはあまり見かけませんが、卸のなかには支払サイト調整など、一部ファイナンス機能を果たしていたところもあります。しかし、卸さんにとっては苦しい事情もあります。医療機関からみれば、「今、下げられるなら、最初から値下げできたはずだ」ともいえますし、結局、利益相反します。弊社のような第3局の立場で提案できるのは有利です。

 ――世界展開、アジアへの足がかりのひとつが、同ビル5階の先端医療デザインセンターですね。

 久保田 先端医療器具や論文などを展示するスペースとなっています。ここにアジアからお客さまを呼びたい。医療技術でもなんでも、手にとって触れると購買意欲は上がります。国内の関係者にもお越しいただくことで、医療技術の交流の場になるようにと考えています。常時オープンしており、セミナーやワークショップでは、ご好評をいただいております。

2020年までに実現したい1,000億円企業へ

 ――上場や世界展開などの展望実現に向け、解決すべき課題は?

 久保田 監査法人の指摘事項を粛々とやっていくだけですが、人材面はまだまだ足りません。ただ、ビジネスモデルに惹かれて、比較的たくさんの応募が来ます。世界で戦っている大企業から転職したいとやってくる場合もあります。裏を返せば、日本企業が海外で負け始めているということです。

 成長戦略にM&Aはどうしても必要な要素なので、計画に入っています。来期は年商300億円、営業利益は26億円という目標を立てています。1,000億円の売上を20年までに達成したいと思います。25年には、日本は、65歳以上の高齢者が人口の30%を超えるようになり、そうなれば医療は変わらざるを得ません。その後の国内マーケットは縮小市場に向かっていくと判断しています。アジアでのポジションを早期に確立し、新規事業の立ち上げを急いでいるのです。

 ――最後に、起業を考えている読者の皆さまへメッセージを!

 久保田 一番回答しづらいですが、あえて言うなら「トライ&エラー」を前提に、失敗を恐れないことでしょうか。失敗しても、チャレンジを続けていくしかない。私も挫折につぐ挫折を繰り返してきました。また、自分磨きを忘れずに、情熱を言葉にすること。そして、金儲けに走らないこと。

(了)
【文・構成:東城 洋平】

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