高島福岡市長へ5,000万円要求した議員の真相は

 福岡県議会議長を務めた吉松源昭県議が、議長就任前に2,000万円もの現金を自民党県議団の幹部に要求され、渡したと証言している問題について、自民党本部の萩生田光一幹事長代行も言及し、県連による事実確認を行うことを求めたほか、連日全国ニュースとなるなど波紋を呼んでいる。

 こうしたなか、8日の定例記者会見で福岡市の高島宗一郎市長が2010年の最初の立候補の際、ある議員から金銭を要求され、断ったことがあることを明らかにした。

 高島氏は2018年に出版した『福岡市を経営する』(ダイヤモンド社)のなかで、市長選への立候補が決まった直後、ある議員に呼び出され、「金をもらわなくて動く議員など、いるわけがないだろう」と切り出され、「選挙活動費」として、「5,000万円はいる。自分がうまく配る」「まずは家を売ってこい」と金銭要求を受けたが、断ったことを明かしている。

 会見において高島氏は、やりとりを録音していたとしたうえで、記載内容は事実と語ったが、要求してきた議員の名前や所属政党などの公表はしなかった。

2022年11月の市長選報告会で語る高島福岡市長
2022年11月の市長選報告会で語る
高島福岡市長

 SNSやYouTubeの政治動画において高島市長の発言が注目され、一連の福岡県議会の問題と関連付けられて紹介されている。一部に蔵内勇夫県議会議長ではないかとの憶測もみられるが、それは違うと申し上げたい。

 福岡市に関しては政令市ということもあり、自民党市議団も県議団から独立した立ち位置にある。10年当時、福岡市出身の重鎮県議Hや、福岡市議会のドン・Tと呼ばれた市議らがいたなかで、勢いのあった蔵内氏も福岡市に口を出すことはしてこなかった。

 そもそも福岡市や北九州市は本来、県が行う事務権限や財源を与えられており、県とは別の運営論理が働いている。小川洋前知事時代に、福岡市と県は宿泊税をめぐり対立した。政治も同様で、自民党福岡市議のなかには「県連から独立して、横浜市のように市連をつくるべき」との声もあるくらいだ。

 福岡市の行政や議会は、県から独立していることにプライドももっている。そのことを蔵内氏は重々承知している。

 高島市長が金銭要求した議員について具体的に言及することを避けているのは、慎重な判断があるのだろう。一方で、憶測も含めて広がることで「福岡の印象が悪くなる」(高島市長)ことへの危惧はその通りで、県議会の問題について明らかにする必要がある。

【近藤将勝】

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