貞刈副市長の悪運力に感服
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今年1月の中ごろから「貞刈厚仁・福岡市副市長が退任する」という情報が流れていた。マスコミ対策に辣腕ぶりを発揮する貞刈副市長は、高島市長に忠誠を尽くす能吏と評価されてきた。だが最近では、「重要な案件から外されている」という秘密裡の情報が流れてきていた。退任必至という事前実績づくりのリークであったとみられる。
突然、西日本新聞夕刊が「貞苅・中園2名の副市長留任」の人事をスクープした。珍しく人事が外に漏れたことは、高島市政では誠に異例である。人事の秘密主義が崩れたのである。
福岡空港の新事業者への出資をめぐり、対立する高島市長と自民党市議団。高島市長の前捌き役(=自民党市議団との激突調整役)は、貞刈副市長であった。高島市長に忠誠を尽くす能吏・貞刈副市長は、自民党市議団への「予算勉強会」の打ち切り通告する憎まれ役も買っている。自民党市議団は貞刈副市長に対して、恨み骨髄の念を抱いているのだ。高島市長は、忽然と貞刈副市長留任へと方向転換した。「ここで貞刈副市長を退任させたら、高島市長は自民党市議団に負けた」と認定されることを、大いに敬遠する気持ちになったのである。だから交替させられない。高島市長は、貞刈副市長の留任の道を選んだのだ。要は他人様に「負けた」と負け犬のレッテルを張られ、自らのプライドを傷つけられるようなことだけはしたくないという一心だ。いやー本当に、悪運の強い貞刈氏である。
これまで高島市長は、関係者に相談することなしに、独断専行で人事決定を行ってきた。「あまり自民党市議団と激突するばかりではいけない」と計算して、同市長は今回の人事案の骨格を自民党市議団に提示した。そこから漏れて、西日本新聞のスクープにつながった。正式発表まで人事を漏らさないという高島流が崩れ、変化の兆しが見え始めた。ようやく、福岡市議会の高島市政を監視できる動きが強まり出した。加速化させなければならない。
福岡空港新事業者への出資は、都市戦略上は必要なことである。自民党市議団の言い分は正しい。市議団が上程した出資を前提とする条例案が通れば、市長は難しい判断を迫られる。この高島市政のピンチを救う役回りは、絶大な悪運力を持つ貞刈厚仁氏をおいて他にはいない。
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