自民党福岡県連、藏内勇夫会長が再選の見通し
-
-
混乱する自民党福岡の舵取りに注目
自民党福岡県連 藏内 勇夫 会長
5月末で任期満了となる自民党福岡県連の会長選に、現会長の藏内勇夫氏(63)が立候補する意向を固めた。候補者の受け付けは19、20日の2日間だが、ほかに出馬の動きはなく、無投票の公算が高い。取材に対し、自民党県議からは、「藏内先生以外に今の自民党福岡をまとめ上げる人物はいない。皆で一枚岩となって支えていく」と、支持する声が寄せられた。
藏内氏は筑後市出身。福岡県立八女高校、日本大学農獣医学部獣医学科を卒業後、臨床獣医師勤務を経て、80年7月から国会議員秘書として政界入り。92年4月、筑後市選挙区で福岡県議会議員選挙に初当選し、以後、8期連続で当選。2001年5月、第54代福岡県議会議長に就任した。同党県議団会長を12年間務めるほか、(公社)日本獣医師会会長としても活動し、10年3月には、九州大学で農学博士号を取得。「福岡県政界における重鎮として、卓越した見識、周囲への気配りに基づく影響力・存在感は群を抜いている」(同)とされ、党勢の回復と拡大に大きく貢献。15年6月、自民党県連会長に就任した。
現在、自民党福岡では、一部で混乱が見られ、県連会長として藏内氏の舵取りが注目される。昨年10月の衆議院福岡6区(久留米市、大川市、小郡市、うきは市、三井郡、三潴郡)の補欠選挙に県連が推す藏内氏の長男・藏内謙氏が立候補したが、故・鳩山邦夫氏の次男で前大川市長の鳩山二郎氏も立候補した。党本部は当選者を追加公認するとし、保守分裂の選挙戦に突入した。結果、鳩山氏が初当選。藏内氏は党本部への抗議の意味も含めて県連会長辞任の意向を示したが周囲が慰留。ただし、鳩山氏は、県連と距離をおいており、次の衆院選まで目が離せない状況にある。
また、福岡市では、現市長の高島宗一郎氏が、福岡空港の新運営事業者への出資をめぐり、出資を求める与党会派の自民党市議団と激しく対立。出資には、市議会の約3分の2が賛同していたほか、高島氏サイドの多数派工作が物議を醸すなど、いまだ火種はくすぶったまま。また、高島氏には国政進出のプランがあるとされ、実際に高島氏が衆院選に立候補する場合、選挙区調整などで、現職の自民党国会議員に影響をおよぼすことが想定される。今後、党勢の維持・拡大には、各方面への細かい配慮が求められることになり、その点でも藏内氏のリーダーシップに寄せられる期待は大きい。
【山下 康太】
関連記事
2025年2月25日 13:402025年2月21日 15:302025年2月20日 13:002025年3月6日 12:002025年2月26日 13:302025年2月6日 11:002025年1月24日 18:10