電子書籍取次の(株)メディアドゥ(本社:東京都千代田区、藤田恭嗣代表)は、AIが電子書籍の内容を要約して紹介するサービスを始めるという。対象となる書籍はビジネス書が中心。AIベンチャー企業と提携し、十数億円規模の出資を行うという。
サービスの内容は、ユーザーが文字数を指定するとその分量に応じて書籍の内容を要約するとのこと。ユーザーの購入の助けになることを期待していると思われる。
現在、一般消費者が本を買おうとする場合に、まず参考にするのがアマゾンのカスタマーレビューだろう。
レビューの内容はもちろんのことだが、まずはレビューがあるかないか、というところから消費者の判断は始まる。そのため、新刊書籍を発刊する際には、出版社が関係者にレビューを投稿するように依頼することもあるという。アマゾンが急成長したのは、利便性もさることながらこのカスタマーレビューの存在も大きい。また書籍ではないが、カカクコムが非常に多くのアクセスを集め、商品評価の基準たりえているのも同サイトの「レビュー」や「口コミ」によるところが大きい。それだけ、消費者には「買う前に内容や評価について知りたい」という欲求があることがわかる。
メディアドゥが提供するサービスがどの程度精度の高い要約を提供できるかはまだ不明だが、特にビジネス書には『○分でわかる○○○○』というタイプのいわゆる概説本が人気を博すジャンル。「チョイ読み」「要約読み」のニーズは確実にある。このユーザーニーズを的確にとらえることができれば、ビジネス書という特定のジャンルではアマゾンに迫るポジションを確立できるかもしれない。
【深水 央】
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