2024年10月05日( 土 )

人材不足に喘ぐ日本。九州企業の採用手法の実態は

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 近年、どの業界でも深刻となっている「人材の枯渇問題」。ことに中小企業にとって、人手不足は企業の存続に関わる致命的な問題だ。

 (公財)九州経済調査協会の調査「人材の確保・活用に関するアンケート」(調査期間:2016年10月~11月)によると、九州における企業の新卒採用の手法として最も多いのは「ハローワーク」の利用で、49.3%の企業が利用しており、従業員規模9人以下の企業以外に大差は見られない。差が出るのは「就職サイト」や「自社サイト」の利用。300人以上の企業では「就職サイト」は64.9%、「自社サイト」は70.2%の企業が利用している。これに対し、20名~49名の企業では「就職サイト」利用率14.8%、「自社サイト」利用率16.9%に留まり、従業員規模が小さくなるほどその利用率は減少している。また、民間や行政が主催する「就職フェア」についても同様の傾向が見られる。

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 次に、中途採用について確認する。こちらでも「ハローワーク」利用が最も多く、加えて利用率は62.9%。新卒採用よりも利用率が13.7ポイントも増加する。ついで全体の採用手法として高かったのが「知人もしくは知人の紹介」で38.6%だった。一方、「転職サイト」「自社サイト」「求人誌等」など他社を媒介とする採用手法は従業員規模が多い企業ほど多く、少ない企業ほど減少する傾向となっている。

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 「新卒採用」「中途採用」双方に共通しているのは、大手企業ほど他社を介した採用手法やネット環境を利用しているのに対し、中小零細企業はハローワークや知人の採用など、コストのかからない手法を選択しているということだ。

 中小企業が「就職サイト」を利用しない理由の多くは「就職サイトに求人掲載しても応募はなく、高い費用を払う意味がない」こと。新卒は大企業への応募を望む傾向が強く、中小企業への応募は来にくいというのが現状である。勝算が薄いなかで大手に比べ体力のない中小企業が、就職サイトなど人材サービス会社の利用を選ばないのも当然と言える。

 とはいえ、求職者の就職方法は今や就職サイトや人材紹介会社などを介する場合がほとんど。大手企業さえ人手不足に窮する昨今、ハローワークに頼りきりの状態では、地方の中小企業はますます人材難に見舞われることとなる。中小企業こそ、人材確保戦略に早急に向き合わなければならない。

【中尾 眞幸】


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