2024年11月22日( 金 )

「情熱の千鳥足」で、福岡の食を楽しむ~バルウォーク福岡

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 11月3日、三連休の初日であるこの日、「バルウォーク福岡」が開催された。
 このイベントは、「行きたかった名店、知らなかったこんな店」をコンセプトに選ばれた64店舗をハシゴして楽しめるグルメイベントだ。5枚綴りのチケットを購入すると、1枚ごとに一品料理とドリンクを味わうことができる。

 「バル(BAR)」とは、一般的なお酒を楽しむバー(BAR)のことではない。「バル」はスペイン語で、お酒と料理どちらも楽しめるお店のことを指し、喫茶店や居酒屋、食堂も「バル」に含まれる。スペインでは気軽に立ち寄れるコミュニケーションの場として、「バル」は生活の一部として愛されているのだ。

オープニングを飾るフラメンコ

 当日、午後2時30分からライオン広場(天神)でオープニングイベントが開かれ、会場は開始前から大勢の人でにぎわっていた。オープニングイベントが始まると、派手なゴールドのハットとジャケットをまとった男性2人が「ウコンの力」の無料配布を開始。バルウォークに協賛するハウスウェルネスフーズ(株)から、アルコールを楽しむ大人たちへ激励のように感じられた。

 オープニングイベントの目玉であるフラメンコショーが始まると、バルウォーク参加者たちはその華麗なダンスに魅せられる。踊るのは、フラメンコ教室「ティエラフラメンカ」の原田江理先生とその生徒たち。
 それぞれ異なる衣装をまとい、生演奏のなかで、美しく、時に激しく舞い踊る。体が楽器といわんばかりの姿に終始圧倒される。15分ほどのステージだったが、お祭りを楽しんだ後のような満足感がしばらく続いた。

「バル」を楽しむ

 筆者は今回のバルで5つのお店をハシゴした。
 今回選択したお店はすべて“初めて”。まさに「行きたかった名店、知らなかったこんな店」のコンセプト通りと言える。

 「グリルsumitoko(博多区祇園町)」。長蛇の列に圧倒された。バルウォークは料理の提供数に制限を設けているお店もあり、こちらのお店もそのひとつ。「大丈夫かな?」と思いつつ並ぶこと約30分、無事店内に入ることができた。
 黒毛和牛100%のハンバーグを塩で頂く。柔らかく、ジューシーな肉の旨味に頬がほころんだ。

グリルsumitoko

黒毛和牛100%のハンバーグ

 「カンガルー肉 Café(中央区大名)」。店名のとおり、“カンガルー肉”を食べられるお店だ。そのインパクトに惹かれお店を訪れると、既に15人ほどの列ができていた。
 店内の至る所にカンガルーのぬいぐるみが飾られおり、とても可愛らしい。そんな空間でカンガルー肉を食すというのは、生け簀があるお店で食べる魚料理とも違う、何とも言えない不思議な気持ちになる。初めて食べたカンガルー肉は、臭みも無く、柔らかくておいしい。南オーストラリア産の赤ワインと共に頂いた。

カンガルー肉 Café

カンガルーと魅惑のカンガルー肉

 「寿司処いずみ田 博多駅前店(博多区博多駅前)」。とてもおいしいという前評判を聞いていたこと、そして締めにお寿司を食べたいという理由で選択。普段気軽に入ることはない、寿司職人が握る寿司屋でも、“バルウォーク”というきっかけがあれば、その一歩が踏み出せる。
 ホッキ貝とイワシの炙りを2貫、イカを1貫頂く。ネタの厚みと酢飯の加減が絶妙で、1貫ごとの満足感がとても大きい。この美味しさを表現する言葉が見つからず、ひたすら「美味しい」を連呼していたように思う。

寿司処いずみ田 博多駅前店

カウンター席でお寿司を頂く

 今回のバルウォークでは、ダンサーがお店を巡り、フラメンコとベリーダンスを披露している。筆者は立ち寄ったお店で、フラメンコショーを見ることができた。
 オープニングイベントとは異なるソロによるステージ。大勢のお客でにぎわう店には、そう広くスペースを取ることができない。しかし、ギターの生演奏と共にフラメンコが始まると、店の一角がステージへと変わる。限られたスペースでも全力で人を魅了する姿は美しかった。グルメイベントでダンスの素晴らしさを知れたのは、嬉しい誤算だった。

リバーサイドコマツの鴨ロース
バルサミコと甘酒のソースがよく合っていた

レストラン&バー in the PARKのマリネ
肉厚のホッキ貝の食感がたまらない

福岡でグルメを楽しむ

 初めてのバルウォークは非常に充実したものとなった。
 ふとオープニングイベントを思い出す。「初めて参加する人」よりも「以前参加したことがある人」が多く、なかには過去14回すべてに参加したことがある人もいた。
 コンセプトの「行きたかった名店、知らなかったこんな店」は、福岡に詳しい人、まだ福岡を知らない人のどちらも対象となる。何かしらの理由で気後れしていたお店でも、バルウォークは絶好の“きっかけ”なのだ。そして、お店にとっても、大勢の人にアピールする絶好の機会となるだろう。

 5つのお店をハシゴしたが、料理の量もちょうど良く、美味しく楽しく食べられた。心地よい余韻は、バルウォーク以外でも「またあのお店に行こう」と思わせてくれた。参加者もカップルや友達同士、家族連れまでと幅広く、皆一様にバルウォークを楽しんでいた。
 バルウォークには決まった楽しみ方はない。事前にお店とルートを決めてハシゴするも良し、その時々の気分でお店に飛び込むも良し、初対面同士でおすすめのお店を教えあうのも良し、だ。「バル」がコミュニケーションの場なら、思わぬ合縁もあるかもしれない。

 今年で8年目となるバルウォーク。次回は、2018年の春に開催を予定している。今から開催が待ち遠しい。

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・バルウォーク福岡

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