カンボジア視察レポート(前)~「トゥールポンローみおつくし中学校」卒業証書授与式
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10月30日、(株)データ・マックスは、CMCトゥールポンローみおつくし中学校(通称:KODAMA school)の卒業証書授与式を行った。同校は、2010年12月、カンボジア地雷撤去キャンペーン(CMC、理事長:大谷賢二)、大阪西ワイズメンズクラブ、データ・マックスの支援によって、カンボジアのバンテアイ・ミエンチャイ州マライ郡に建設された。
マライ郡はタイ国境より数キロの場所に位置し、クメール・ルージュ軍と政府軍との内戦の主戦場となった地帯で、今もなお地雷原が多数残されている。まさに地雷原のジャングルだった場所に中学校を建設、開校した。建設までの間、敷地内で発見された地雷・不発弾は400個にものぼったという。
CMCと我々一行は、シェムリアップ市街地からバスで約2時間半かけて同校に向かった。国道6号線から道を一本外れ、細いデコボコ道へと進んでいくと、その先に広大な緑の広場と2棟の校舎が見えた。学校に到着するまで卒業生が集まっているのか不安だったが、卒業生や在校生が大勢で我々を待っていてくれた。卒業証書授与式には全37名の卒業生の内35名が出席し、かつてない出席率であった。すでに9月に卒業を迎えており、出稼ぎや進学のために出席者は減ることを予測していたので、想定外の嬉しい出来事であった。
卒業証書授与式では、CMC大谷理事長と弊社社員からお祝いの言葉を贈り、その後、卒業生1人ひとりに卒業証書と卒業記念品のハンカチ、お祝いのお金を手渡した。自分の名前を呼ばれた時に恥ずかしそうに照れ笑いをする卒業生の表情も印象的だったが、壇上で我々の目をしっかり見て笑顔で卒業証書を受け取る姿には感激した。言葉は通じないが、気持ちが通い合った瞬間だった。最後に、卒業生のスレイナーさんが自ら手を挙げ、我々への感謝の言葉を述べてくれ、温かい雰囲気で卒業証書授与式を終えた。
11年に開校した同校では13年に第1期生の卒業式が行われ、今年度で第5期目の卒業生を送り出すことができた。今後の進路については、出席した卒業生35名のうち、1名を除いた全員が高校へ進学するということを知り、驚いた(12年にカンボジア教育省が発表した統計によると、カンボジア全土における高校進学率は約25%である)。
また、弊社は学校の校舎とともに、学校前の通学路整備の支援も行っている。以前は大変な悪路で歩くのもやっとな道だったが、現在は車が通れるほどの道に整備され「KODAMA STREET」と名付けられている。CMCの大谷理事長からは、学校をつくることはとても大切なことだが、それ以上に建てた学校を運営していくことが大切だと教えられた。
今回、カンボジアの現地視察を通して、この国が負った深い傷跡と今も抱える問題について目の当たりにした一方で、明るく一所懸命に生きる子どもたちの力強さを感じた。この子どもたちの幸せな未来と国の発展のために、今後、さらなる教育支援などのサポートと、多くの人の理解や努力の継続が必要とされている。
【金丸 咲子】
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