進まぬ手続き、着手金受領も動かない行政書士の謎
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全ての相談者が、真実を述べているとは限らない。どこかに何かを隠したまま、自身を正当化しようとする――。それがあって当たり前だと思うべきなのだろうか。
ある企業経営者から相談があった。数年前、新事業として、産廃・リサイクル事業を計画していて、その許認可の申請のために、福岡県内の行政書士に依頼した。見積もりを取り、納得した金額だったため正式に依頼することにした。着手金として、その行政書士に40万円支払ったが、その後一向に話が進まない。途中から連絡がつかなくなり、もうずいぶん時間が経つ。業務を行わないなら、着手金を返して欲しいというものだ
確かに、見積書、着手金の振込明細もある。日付は4年以上前だ。ここまで時間がかかる用件ではあるまい。ただ、受任していながら、進まない理由があるのかもしれない。そこで、行政書士にも話を聞いてみた。しかし、返って来たのは「まだ継続中です。(相談者とは)連絡取ってますよ。でも、それ以上話すことはありません」という答えだった。その分野の許認可手続では、実績が豊富な行政書士だけに、進まない理由は事務的なものではないだろう。何か決定的な要因があるするはずだ。
行政書士の反応を、相談のあった経営者に伝えた。「行政書士が嘘を言っている。連絡はない」とお互いの意見は大きく食い違っている。
確かに、経営者の話を「真」とするなら、とっくに出るところには出ているはずだ。行政書士会に相談するもよし、弁護士に相談して対応を考えることもできる。あまりにも事態が動かない。まだ腰が重い相談者の態度から、相談者にも隠していることがあるだろうと推測された。
果たして、この先動きはあるのか。
【東城 洋平】
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