韓国は焼肉王国?(前)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
日本人にとっては韓国といえば、一番先に連想される単語が焼肉のようだ。なぜ韓国イコール焼肉という図式が成立するようになったのか筆者にはよくわかりませんが、日本人は私が韓国人であることを知った瞬間、焼肉を話題することが多い。日本人から韓国の焼肉はとてもおいしかったといわれると、正直に個人的にはすんなり納得が行かず、本当かなと思いたくなる。なぜかというと、両方の焼肉を経験した私に言わせると、日本の肉のほうが韓国の肉より柔らかいし、もっとおいしいと感じているからだ。
もちろん韓国でも高級焼肉店に行くと、日本の和牛とほぼ肩を並べるくらい、おいしい肉が提供されることもある。しかし、平均的に言って、韓国の焼肉よりは日本の焼肉のほうが旨いのではないかと筆者は思っている。韓国の焼き肉を褒めてくれるのは私に対する礼儀という側面もあるだろうし、旅行者として海外旅行で現地に行き、知り合いからご馳走になり、また日本と違った店の雰囲気で韓国の焼肉が強烈に印象に残っているのではないかと思える。
韓国で今のように肉類の消費が多くなったのは、せいぜい90年代を過ぎてからであろう。筆者の記憶では、私が中学生頃、弁当のおかずにハムなど肉製品が入っていた学生は少数派で、余裕のある家庭の子のみであった。私が結婚して家族と外食を楽しんでいたのも主にサムギョブサル(豚肉の三枚肉)で、今でも韓国の一般庶民やサラリーマンに一番愛されている肉は豚肉であろう。
韓国では、牛肉はとても高い。牛肉は高くて手が届かないので、豚肉が好まれているかもしれない。しかし、親からは脂が多くて良く消化できない牛肉よりは、肉の味を知っている人にとってもっともおいしいのは豚肉であると言われていた。
OECDの統計によると、韓国の年間肉の消費量は51,3kgで、OECD平均63.5kgと比べると、約80%の水準である。思ったほど韓国人は肉を食べていない。
これが、韓国人にはそれほど太った人がいない理由かもしれない。肉の消費が一番多いのはやはり米国で、年間89.7kgも消費している。ハンバーガ、ステーキなどのアメリカの食文化を考えると、肉の消費が多いのは容易に想像ができる。韓国は他の国に比べ、牛肉が高いせいか、牛肉の消費量は51.3kgの中の11.6kgに過ぎず、豚肉は24.3kgで、牛肉に比べ2倍以上消費されている。安くておいしい豚肉がもっとも親しまれているのが統計にも表れている。
豚肉の消費の多い国はというと、中国(32kg)、EU(30.9kg)、ベトナム(28.8kg)などの順である。中国は豚肉だけでなく、世界の肉消費量の31.2%を占めており、豚肉を中心に肉の消費が多い国である。肉の消費量は中国を始め上位ランク5位に入っているEU、米国、ロシアなどで全体の71.6%を占めている。
(つづく)
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