波乱模様の経済界(5)~民泊業界 ヤミ民泊横行で自治体が悲鳴(前)
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2017年の訪日外国人(インバウンド)数は、前年比19.3%増の2,869万人となり、5年連続で過去最高を更新した。政府は東京オリンピックの2020年に4,000万人、30年には6,000万人にする目標を掲げる。だが、絶対的に不足しているのが宿泊施設。今年6月には、一般住宅に有料で客を泊める住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行される。企業の民泊事業への参入が相次ぎ、大乱戦模様を呈している。
リクルートが民泊運営支援事業に参入
リクルートホールディングス(HD)傘下で不動産情報サイト「SUUMO(スーモ)」を運営するリクルート住まいカンパニーは1月17日、民泊仲介サイト世界最大手の米エアビーアンドビーと業務提携し、民泊運営支援事業に参入すると発表した。スーモに掲載されている空き室の賃貸物件を、民泊として活用できるようにする。
空き室の賃貸マンションの管理会社やオーナーに、リクルート側から民泊運営を提案。対象物件はエアビーに掲載する。民泊運営代行会社に清掃や予約管理を委託してオーナー側の負担を軽減し、民泊の経験がなくても参入しやすくなる。
スーモには約623万件の賃貸物件が登録されている。エアビーは登録物件400万件の世界最大の民泊仲介サイトである。
民泊新法の施行で、民泊への参入が相次ぐ
リクルートの背中を押したのは、今年6月に施行される住宅宿泊事業法(民泊新法)だ。
民泊新法とは、届出1つで住宅地でも1泊から住居を使って宿泊事業を行うことができる法律。ホテルや旅館など旅館業法に基づく宿泊施設ではなく、住宅で宿泊施設が可能にするための法律だ。個人や企業は自治体に届け出れば年間180日を上限に営業できる。
民泊の仲介業者には観光庁への登録制が導入される。世界最大手の米エアビーアンドビーが先行しており、リクルートはエアビーと提携して民泊事業に参入することにした。
民泊は国内大手の参入が相次ぐ。楽天は民泊新法の施行に合わせて民泊の仲介と貸し手の運営の代行サービスを提供する。旅行予約サイト世界大手のブッキング・ドットコム(オランダ)と提携しており、民泊で世界最大手のエアビーに対抗する。住友林業やJTBは百戦錬磨(宮城県仙台市、非上場)と連携し民泊事業に参入を計画している。
(つづく)
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