健康オタクのプーチン大統領は大の和食ファン

 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」の記事を紹介する。
 今回は、7月10日付の記事を紹介する。

寿司 イメージ    ウラジーミル・プーチン大統領(73歳)は、徹底した自己管理を行う「健康オタク」として知られており、食生活においては健康的な「和食(特に寿司や刺身)」を非常に好み、日常的に取り入れています。その点、「マック大好き」のドナルド・トランプ大統領とは正反対です。プーチン氏にとっては、肉よりも魚、そして糖質を控える彼のストイックな食習慣において、和食は非常に理にかなったメニューとなっています。

 では、和食と中華では、どちらが好みでしょうか?言うまでもなく、プーチン氏は明らかに「中華料理」よりも「和食」を好んでいます。そもそも、プーチン氏は「肉か魚か選べるなら、迷わず魚を選ぶ」と公言しているほどです。彼は脂肪分の少ない白身魚や鮭(サーモン)、チョウザメなどを好み、これらが日本の寿司や刺身、魚料理と完全に合致しています。ロシア国内でも「大統領の寿司好き」は有名で、彼が2000年代以降のロシアにおける空前の「寿司・和食ブーム」を後押ししたことは間違いありません。

 中国の習近平国家主席との首脳会談などでは、北京ダックや中華の宮廷料理を一緒に食べる姿が報じられますが、これらはあくまで「外交上のパフォーマンス」です。中華料理は油分や塩分が多く、高カロリーなメニューが多いため、徹底して体型と健康を維持するプーチン氏には歓迎されていません。何しろ、彼は砂糖を嫌い、朝はクワルク(フレッシュチーズ)やウズラの卵、野菜が中心となっているようです。

 実は、プーチン氏がかつて副市長を務めていた故郷サンクトペテルブルクには、彼が熱烈に贔屓(ひいき)にし、自身の誕生日会まで開いた超有名レストランが存在しています。とはいえ、それは和食店ではなく、ロシア伝統料理が看板メニューの「ポドヴォリエ」というお店です。

 サンクトペテルブルク郊外のパヴロフスクにあるこの店は、ロシアの伝統的な木造建築の丸太小屋風でひときわ目立っています。2000年にプーチン氏がここで誕生日を祝ったことをきっかけに、彼が注文した「チョウザメの魚スープ」「牛のストロガノフ」「キノコのピクルス」などが『プーチン大統領の誕生日メニュー』として看板商品になり、観光客や地元セレブの聖地となりました。

 ところが、このお気に入りの店は、2011年4月に原因不明の大火災に見舞われ、約1,000平方メートルの歴史的木造建築は跡形もなく全焼してしまったのです。プーチン氏もさぞやガッカリしたに違いありません。当時は「プーチンの歴史の1ページが失われた」とロシア国内で大きなニュースになったほどですから。

 しかし、その後、店舗は元のデザインのまま見事に再建・復元され、現在も「ロシアで最も有名なロシア料理店」として営業を続けており、今でも「プーチン・メニュー」は同店の不動の人気トップメニューとして提供されています。

 現在、プーチン大統領は暗殺・毒殺対策に腐心し、セキュリティを極限まで強化しているため、サンクトペテルブルクの市井のレストランにふらりと立ち寄って外食することは原則ありません。彼が食べる全ての料理(大好物の寿司や魚料理、ポドヴォリエ風のロシア料理含む)は現在も専属のセキュリティチームとシェフが事前に原材料を厳密にチェック・検食し、大統領専用の隔離された厨房で作られたものだけが食卓に運ばれるという仕掛けになっています。

 まさにストイックな食生活を強いられているわけですが、150歳まで権力の座を維持し、公には認められていませんが、2人いるとされるまだ幼い息子のいずれかにバトンタッチするためには必要な段取りと割り切っているようにも思えます。


著者:浜田和幸
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