「口が滑った」太宰府市議会議長 市民からの厳しい追及受ける
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太宰府市議会議長 橋本 健 氏
舌禍の代償は、市民からの厳しい糾弾だった。
8日、太宰府市議会議長の橋本健氏(64)は市民説明会に出席した。先の太宰府市長選で勝利した楠田大蔵新市長(42)に対し、橋本氏が投開票直後に「不信任案を出したい気持ちだ」と発言したことを受け、市民が企画した説明会である。会場には100人を超える市民が集まり、立ち見が出るほどの盛況。説明会は定刻通り開始された。司会者が冒頭「橋本氏への質問は受け付けない」としたことに市民は猛反発。ピリピリした空気のなか、橋本氏が登壇した。
「大変申し訳ございませんでした」という陳謝からはじまった橋本氏の説明。橋本氏は、「投開票日の夜10時40分ごろ、相手候補の当確を知らせる報道がありました。これを聞き、非常にショックを受けました」と当日の様子を語る。
「木村甚治候補のあいさつの後、6人ほどの記者による囲み取材を受けました。その際に、『楠田さんと一緒に市政をやっていくなかで、そこはどう切り替えていくのですか』と質問を受けました。それに『そうですね、心の整理がついていませんけれど、本音をいえば不信任案を出したい気持ちです。それは大人の対応で押さえて、しっかりと市民の皆さまのために議会としてしっかりと取り組んでいきたい。市民目線で皆さまのためになるようやっていく』と答えました」と、問題の発言について説明した。自らの発言を「大変失礼で誠に申し訳ない」と繰り返すが、集まった市民の怒りは収まらない。
「もともと議長は、市長と議員の調整役として、中立でなければならない立場。にもかかわらず、支持する候補者の応援に行ったうえで、記者に対して『不信任案を出したい気持ち……』などと発言するとは、議長という立場としていかがなものか」と辛らつな意見が浴びせられる。ついには「議員辞職するべき」という厳しい声も飛んだ。
前市長による副市長の解任、二度の不信任から市長失職にまで至り混迷を続けた太宰府市政。新市長の登場によってようやく落ち着くかと思われたこの時期に、議長の軽率な発言は受け入れられるものではなかった。橋本氏は、発言のすぐ後に楠田氏のもとへ駆けつけ、陳謝したことを明らかにした。楠田氏は「水に流しましょう」と大人の対応を見せたという。橋本氏は今回の件を反省し、議長として市政の立て直しに全力を尽くすと続投を明言している。
集まった市民は会見後も怒りが収まらない様子。議長にはもちろん猛省が必要だが、新市長と議会は市民とともに手を携えて、新しい活気あるまちづくりに取り組んでほしい。これまで内紛に費やしていたエネルギーを、融和のために使う時期だ。
【道山 憲一】
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