楠田大蔵・太宰府新市長「融和を図り、不要な対立は求めない」(前)
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前市長に対する辞職勧告、不信任決議、議会の解散・選挙、市長失職と大混乱に陥った太宰府市政。1月28日執行の市長選挙では、太宰府市を含む福岡5区に地盤をもつ元衆議院議員・楠田大蔵氏が初当選。市民が選んだのは、これまでの混乱の当事者ではなかった。新市長になった楠田氏は、民意をどのように受け止めているのだろうか。楠田氏は単独インタビューに応じた。
(聞き手:道山 憲一)
出遅れから大接戦へ
――市長選は新人同士の一騎打ちで約2,000票差。最後まで結果がわからない接戦でした。
楠田 大蔵 太宰府市長
楠田市長(以下、楠田) 今回の市長選挙は42.17%という過去最低の投票率でした。投票日当日に、雨が降ったことや、新人同士の戦いであったため、投票率に影響したかもしれません。一般に、低投票率になると、組織力のある陣営が有利となりますが、そのようななかで多くの方に私を応援していただいたことを、本当にありがたく感じております。今後の大きな励みにしていきたいと思っています。
昨年(2017年10月)の衆院選では落選しましたが、その際に応援していただいた方に今回も支持していただいたと思いますが、私が今回、市長選に無所属で出馬したことで、衆院選におけるほかの候補者の票がこちらに流れているという話も聞きます。いろいろな要素が重なっての約2,000票差です。詳しい分析はできていませんが、全体的に「組織力が有権者の方の判断基準ではなかったのかな」と感じるところはありました。
――告示前の決起大会などでは相手候補に勢いがあるように感じていましたが、選挙期間中、どの時点で手応えを感じましたか。
決起大会でシュプレヒコールを行う
楠田 選挙準備(出馬表明は告示の1カ月前)が遅れ、たしかに不利な状況だったかもしれません。手応えを感じたのは、木村甚治さんと芦刈茂さん(前市長)、そして私を含めた候補予定者3人による公開討論会(1月13日)でした(芦刈氏は出馬を辞退)。
なかでも木村さんは太宰府市政に長く携わり、最終的には教育長までされた、いわゆる太宰府市役所のスーパーエリートです。当然、弁も立つだろうし、市の政策に対しても非常に詳しい方なので、かなりのプレッシャーを感じていました。
とにかく、来ていただいた市民の方々に、自分の想いをしっかり伝えようという一心で発表しました。その時に「国政を含む15年間の政治経験と、浪人中に、さまざまな現場を見てきた経験、その積み重ねを皆さまに知ってもらい、この太宰府市の役に立とう」と改めて感じた次第です。この討論会の経験が選挙における自信へとつながりました。
(つづく)
【文・構成:山下 康太】関連記事
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